がんゲノム医療の最新トレンド!慶大が推進する「次世代型検査」で最適な治療薬を見つける新時代へ

一人ひとりの患者さんが持つがんの遺伝子情報を解析し、最も効果が期待できる治療薬を見つけ出す「がんゲノム医療」をご存じでしょうか。日本でも2019年6月から公的保険の適用が始まり、大きな話題を呼んでいます。しかし、既存の保険診療内の検査では、実際に適合する薬が見つかる確率が約1割に留まるという厳しい現実も浮かび上がってきました。こうした課題を解決するため、医療の現場ではさらなる進化が始まっています。

SNS上でもこの現状に対して、「10%の壁は高いけれど、ゲノム医療の可能性に期待したい」「もっと検査の選択肢が増えてほしい」といった、未来への期待と切実な声が数多く寄せられています。まさに今、多くの人々が注目する最先端の医療分野と言えるでしょう。

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すべての遺伝子を網羅!慶大などが挑む「プレシジョン・エクソーム」とは

そんな中、慶応義塾大学病院などが導入を進めているのが、次世代型のがんゲノム検査「プレシジョン・エクソーム」です。この検査は、人間の体内でたんぱく質を形作る約2万個の遺伝子すべてを網羅的に調べる画期的なシステムとなっています。従来の保険適用の検査が114から324種類ほどの遺伝子を対象としているのに対し、その規模は圧倒的です。がん細胞と正常な白血球を比較することで、微細な遺伝子の変化を捉えます。

ここで言う「ゲノム」とは、体を構成するすべての遺伝情報のことを指します。近年のがん研究によって、たとえ同じ部位のがんであっても、遺伝子の変化の仕方は患者さんごとに異なり、効く薬も全く違うことが分かってきました。この個人差を詳細に分析するアプローチを「個別化医療(プレシジョン・メディシン)」と呼び、がん治療の常識を塗り替えつつあります。

この次世代型検査について、慶応義塾大学の西原広史教授は「調べる遺伝子の数が格段に多いため、治療薬にたどり着く確率を大幅に引き上げられる」と、その手応えを熱く語っています。実際に、これまでに検査を受けた患者さんの8割弱で、投薬につながる可能性のある遺伝子変化が見つかっており、これは従来の約2倍の確率です。画一的な治療から、オーダーメイドの治療へシフトする意義は極めて大きいと感じます。

実際の検査プロセスでは、手術で切除したがん組織と血液からDNAを抽出し、三菱スペース・ソフトウエアの専用装置で高度な解析を行います。現在は結果が出るまでに約6週間を要しますが、将来的には期間を半分に短縮する見通しも立っているそうです。一刻を争うがん治療において、検査の高速化は患者さんや医療従事者にとって最大の福音となるに違いありません。

高額な自由診療を支える民間保険の存在とこれからの選択肢

一方で、この先進的な検査をめぐる最大のハードルは費用面です。自由診療となるため患者さんの自己負担は約100万円に上り、投薬治療も含めるとさらに高額な費用が予想されます。お金の有無で受けられる医療に差が出ることは避けるべきですが、現状の公的保険の枠組みだけでは、最先端医療のスピード感に追いつけないのも事実でしょう。そこで重要になるのが、先進医療をサポートする民間保険の活用です。

例えば、セコム損害保険が販売するがん自由診療向けの医療保険「メディコム」のように、自由診療の費用を最大1000万円まで補償する商品が登場しています。実際に、2019年5月に悪性神経膠腫(悪性度が高い脳腫瘍の一種)の診断を受けた60歳代の女性は、同年7月に慶大でこの新検査を受け、加入していた民間保険で費用をカバーできました。検査の結果、乳がんや腎臓がんに使われる薬が有効である可能性が分かり、大きな安心感を得たそうです。

今後は公的保険による標準的な医療をベースにしつつ、必要に応じて最先端の次世代ゲノム検査や民間保険を賢く組み合わせる時代がやってくるでしょう。また、国立がん研究センター東病院などでは、血液中を漂う微量なDNAを調べる米ガーダントヘルス社の技術を活用し、大腸がんや胃がんなどの患者さんを対象とした大規模な臨床研究や治験を急ピッチで進めています。選択肢が広がることで、救われる命が増えることを願ってやみません。

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