2019年6月28日、日本列島は、熱帯低気圧へと姿を変えた台風3号と停滞する梅雨前線の影響により、広い範囲で大気の状態が不安定になっています。特に台風が南の海から運び込んだ暖かく湿った空気と前線の活動が活発化し、東海から関東、さらには東北にかけて記録的な大雨が降り続いています。気象庁は、この大雨によって地盤が緩んでいる地域が多いことから、引き続き土砂災害に対する厳重な警戒を呼びかけています。
この大雨は交通にも大きな影響を及ぼしており、九州新幹線では、鹿児島県内で観測された雨量が安全基準値を超過したため、熊本駅と鹿児島中央駅の間で一時運転見合わせとなりました。多くの利用客に影響が出ているとみられ、SNS上では「通勤・通学に影響が出た」「新幹線が止まってしまって帰れない」といった困惑の声や、激しい雨の様子を捉えた映像などが投稿され、大きな反響を呼んでいます。公共交通機関の遅延や運休に関する情報は、外出前に必ず確認することが大切でしょう。
さらに警戒が必要なのは九州南部です。西から東へ移動する「気圧の谷」が通過しているため、湿った空気が流れ込み、この地域の「大気の状態が非常に不安定」になっています。大気の状態が不安定とは、上空と地表付近の気温差が大きく、上昇気流が発生しやすい状態のことです。これにより、積乱雲が発達しやすく、短時間で強い雨や雷、竜巻などの激しい気象現象を引き起こす危険性が高まります。
実際に、この日観測された1時間の降水量を見てみると、その激しさがわかります。鹿児島県日置市では60ミリ、静岡県南伊豆町で52ミリ、宮崎県えびの市で45.5ミリなど、多くの地点で「非常に激しい雨」とされるレベルの雨を観測しました。この「非常に激しい雨」とは、一般的に傘が全く役に立たず、水しぶきで視界が悪くなり、車の運転が困難になるほどの雨です。もし外出中にこのような雨に遭遇した場合は、無理をせず安全な屋内でやり過ごすのが最善の行動といえるでしょう。
また、2019年6月18日に最大震度6強を記録した地震で大きな揺れに見舞われた新潟県や山形県にも雨が降っており、地震でダメージを受けた地盤がさらに緩むことが懸念されます。現在、気象台は、九州南部にとどまらず、宮崎県は28日夕方、高知県では29日の明け方にかけて、雷や竜巻、そして急な激しい雨に注意するよう呼びかけています。今後の予報によると、29日午前6時までの24時間で予想される雨量は、北陸地方の多い所で80ミリ、関東甲信で70ミリ、東海地方で60ミリに達する見込みです。
今後も大気の状態が不安定な状況は続くと予想されており、私たち一人ひとりが最新の気象情報をこまめにチェックし、適切な警戒行動をとることが何よりも重要です。特に今回、九州南部で発生したような「局地的な大雨」(狭い範囲に短時間で降る非常に強い雨のこと)は予測が難しく、一気に河川の増水や土砂災害を引き起こす可能性があります。命を守る行動を最優先にする意識を持つべきでしょう。
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