【大阪の夏2019】愛染まつりで「愛染娘」が華麗に復活!G20後の静かなる熱気と伝統の継承

大阪に本格的な夏の到来を告げる風物詩、「愛染まつり(あいぜんまつり)」が、2019年6月30日に大阪市天王寺区の愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)で幕を開けました。梅雨空の下、午後1時半頃には激しい雨に見舞われる場面もありましたが、境内には約100人の熱心な見物客が集まり、雨音をかき消すほどの熱気に包まれています。このお祭りは、天神祭、住吉祭と並んで「大阪三大夏祭り」の一つとして古くから親しまれてきました。

今年の最大のトピックは、なんと言っても祭りのヒロインである「愛染娘(あいぜんむすめ)」の復活でしょう。昨年は諸事情により募集が見送られましたが、今年は見事に帰ってきました。あざやかな青色の浴衣に身を包んだ4人の愛染娘たちが、伝統的な「宝恵駕籠(ほえかご)」に乗り込む姿は、まさに大阪が誇る「べっぴんさん」そのものです。

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響き渡る掛け声と、変わりゆく祭りの形

鉢巻き姿の若者たちが力強く駕籠を担ぎ上げ、「愛染さんじゃ、ほえかご」「商売繁盛、ほえかご」という威勢のいい掛け声が境内に響き渡ると、集まった観客からは大きな歓声と温かい拍手が送られました。かつては公募で選ばれていた愛染娘ですが、今年はおととしまでの方式を変更し、祭り実行委員会が推薦した4人がその大役を務めています。選出方法は変われど、その笑顔が人々に元気を与える光景は変わりません。

一方で、祭りの風景は少し変化を見せています。昨年の開催時に近隣住民からの騒音やゴミに関する苦情を受けた経緯があり、今年も露店の出店や派手なパレードは取りやめとなりました。これは、先日閉幕したばかりの「G20大阪サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)」直後の開催ということもあり、警備面や都市機能への配慮も踏襲された形と言えるでしょう。

SNS上では、この変化について様々な反応が見られます。「愛染娘が戻ってきてくれて本当に嬉しい!」「やっぱりこの掛け声がないと大阪の夏は始まらない」といった復活を喜ぶ声が溢れる一方で、「屋台がないのは少し寂しいけれど、落ち着いてお参りできる今の形も風情があって良い」という、新しいスタイルを肯定的に捉える意見も多く見受けられました。

編集者が見た「伝統」の未来

私自身、多くの祭り取材を行ってきましたが、伝統行事を現代の都市環境の中で維持していくことは並大抵の努力ではありません。騒音問題などで存続自体が危ぶまれるケースも多い中、近隣への配慮と伝統の継承のバランスを取りながら、こうして祭りを継続させる決断は、非常に意義深いものだと感じます。派手な騒ぎだけが祭りではなく、地域と共生し、祈りを捧げる本来の姿に立ち返ったとも言えるのではないでしょうか。

静かでありながらも、確かな熱量を帯びた今年の愛染まつり。派手な露店がなくとも、そこには大阪の人々の心意気が息づいています。開催期間は明日、2019年7月2日までとなっています。ぜひ皆様も足を運び、雨の風情とともに、復活した愛染娘たちの笑顔と大阪の夏の始まりを肌で感じてみてください。

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