絶滅危惧種ニホンライチョウの「生息地復活」へ!中央アルプスで57年ぶりの快挙、人工授精卵から5羽のひなが誕生

2019年7月2日、環境省は、絶滅の危機に瀕しているニホンライチョウの生息地復活を目指す重要な取り組みにおいて、大きな成功を収めたと発表しました。この取り組みは、長野県の中央アルプスに生息するたった1羽の雌のライチョウの巣に、他の個体の有精卵を移入するという、前例のない試みです。その結果、なんと5羽のひなが無事にふ化したことが確認されたのです。

中央アルプスでは、1962年に2羽のひなが確認されたのを最後に、長らくライチョウのふ化が途絶えていました。その後、1969年の目撃を最後に、地域から絶滅したと考えられていたのです。しかし、昨年2018年7月、奇跡的に中央アルプス・駒ケ岳で約50年ぶりとなる雌1羽が発見されました。今回のふ化は、この雌親がひなの顔を見られたという喜びだけでなく、中央アルプスでの生息地復活に向けた大きな一歩であり、環境省の担当者も「次につながる成功だ」と期待を込めています。

このプロジェクトの核心は、「卵の入れ替え」にあります。発見された雌は周辺に雄がいないため、産む卵はすべて子鳥にならない無精卵でした。そこで環境省は、6月8日、この雌が産んだ無精卵8個を回収し、代わりに北アルプスで採取した別の雌の有精卵6個と入れ替えを実施。この有精卵とは、精子の働きによって受精し、命を宿すことが可能な卵のことです。絶滅危惧種を守るための、科学と情熱を合わせた取り組みと言えるでしょう。

環境省信越自然環境事務所によると、7月1日午後2時半頃に巣の確認が行われ、5個の卵がふ化した形跡が認められました。その後、巣から約30メートルの場所で、元気な5羽のひなが見つかったとのこと。残りの1個は卵のままでしたが、卵の殻の様子やひなの様子から、6月30日の午後から7月1日の午前にかけてふ化が起こったものと推測されています。ライチョウのひなは、ふ化直後にもかかわらず数十メートル飛ぶことができるほど生命力があると言われており、その成長が期待されます。

SNS上でもこのニュースは大きな反響を呼んでおり、「諦めずに取り組んできた人々の努力が実を結んだ」「絶滅危惧種を救う感動的なニュース」といった声が多数上がっています。特に、たった1羽で孤独に生きていた雌ライチョウが、ひなを育て始めるというストーリーに、多くの読者が心を動かされているようです。自然保護官の福田真さんは、「雌がひなの顔を見られてよかった。5羽が成長してつがいとなり、中央アルプスでライチョウが再び増えていくことを心から願っています」と語っています。

私自身の意見としては、今回の「卵の入れ替え作戦」は、絶滅の瀬戸際にいる野生動物を救うための、非常に効果的かつ重要な手段だと考えられます。種の保存は待ったなしの状況であり、ただ見守るだけでなく、科学的な知見に基づいた積極的な介入――いわゆる保全生態学のアプローチが、今後ますます求められるでしょう。この5羽のひなが成長し、中央アルプスの自然の中で子孫を残すことが、ニホンライチョウの未来を大きく左右する鍵となります。

今回の成功は、中央アルプスをライチョウの生息地として復活させるという壮大な目標に向けた、確かに大きな第一歩となるに違いありません。今後も環境省の取り組みと、5羽のひなの健やかな成長に、ぜひ注目していきましょう。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*