【作曲家・西村朗氏の「夢」】深海に潜るUボートと創作の深淵—音楽と戦争の記憶が交差する地、独キールでの感動体験

著名な作曲家である西村朗氏が、自身の創作の源泉とも言える幼少期からの「夢」について、2019年5月31日の記事で綴っています。氏には幼い頃から、眠る際によく見る2つの夢があったと言います。ひとつは、中近東を思わせる、真っ白な石造りの家々の壁の風景です。この風景については、アジアとヨーロッパの文化が交じり合う大阪という土地柄が、まさにアジアとヨーロッパの接点である中近東とどこか似ているためではないか、と氏は推察しています。

もうひとつの夢は、潜水艦です。これは、親や祖父母の世代が戦争を経験し、その記憶が色濃く残る時代に生まれた世代であることから、影響を受けているのは明らかでしょう。夢に現れる潜水艦は、ほぼ必ずドイツ製の「Uボート」であり、その鋭く洗練された姿に強く惹きつけられたそうです。氏は、そのシャープなフォルムを愛し、自分で模型を作ったり、絵を描いたりして、いつか本物をこの目で見たいと長年願い続けてきました。しかし、その機会はなかなか訪れなかったとのことです。

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半世紀の夢が叶った日:ドイツの潜水艦「U995」との出会い

ついにその「夢」が実現したのは、2001年のことです。新曲の録音の仕事でドイツのハンブルクを訪れた際、そこから約100キロメートル離れたキールという港町に、潜水艦の実物を見学できる場所があることを知ったのです。氏は喜び勇んで現地へと向かい、そこで実在したUボートである「U995」型とついに対面を果たしました。初めて本物の潜水艦を目の当たりにした西村氏の感動と興奮は計り知れず、ようやく長年の夢が叶ったという感激に包まれたそうです。

さらに、潜水艦の内部に入ることも許され、実際に潜望鏡(せんぼうきょう)を覗くことができたと言います。これは、水中の艦内から海上の様子を観察するための装置で、少年時代から憧れていたUボートの装備を実際に操作した瞬間は、まさに子供時代に帰ったかのような、かけがえのないひとときだったに違いありません。この素晴らしい体験で人生の「夢」をひとつ達成した氏は、記念にビールで乾杯しようと外の売店へ立ち寄りました。

「しょぼい」ブリキ模型に魅せられて—創作活動との共通点

その売店で、西村氏はUボートの模型を見つけます。しかし、それは日本製のような精巧な作りとはかけ離れており、ディテールはいい加減でブリキがむき出しの、正直「しょぼい」造形だったそうです。ところが、氏はむしろその飾り気のない、いささか粗雑な出来栄えに、抗いがたい魅力を感じて引きつけられました。その「しょぼい」模型は、現在も西村氏の仕事場に飾られていると言います。このエピソードは、表面的な完成度よりも、そのものの持つ純粋な魅力や背景に価値を見出す、芸術家ならではの審美眼を表しているのでしょう。

記事の結びで、西村氏は潜水艦と作曲家には共通点があるという、非常に深遠な見解を述べています。潜水艦が深海深くへと潜行していく作業は、作曲家が自身の心の深淵(しんえん)—つまり、人間の意識や感情の最も奥深くにある、捉えがたい領域—へと沈み込み、深く静かに思考を巡らせる行為と通じているというのです。この鋭い洞察には、筆者も深く共感いたします。表面的な音作りではなく、精神の奥底から湧き出る真の表現を探求する西村氏の創作姿勢が、この言葉によく現れているのではないでしょうか。これからも、この「沈み込む」作業をひたむきに続け、力強い音楽を生み出し続けていかれることでしょう。この記事は、西村氏のファンのみならず、「#潜水艦」「#Uボート」「#作曲家の日常」といったハッシュタグと共に、SNSでも多くの読者から「夢を叶えることの大切さ」「芸術と深層心理の繋がり」について感動と共感の声を集め、広く反響を呼ぶことでしょう。

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