2019年5月30日、大手エンジニアリング会社である千代田化工建設が、2019年7月1日付で発令される重要な役員人事を発表いたしました。特に注目されるのは、山東理二社長兼COO(最高執行責任者)が、新たに設置される「事業革新室」の室長を兼務される点です。これは、同社が今後、これまでの事業のやり方から一歩踏み出し、大胆な変革を推し進めていくという、強い意志の表れと言えるでしょう。
エンジニアリング会社は、プラントなどの大型施設の設計、調達、建設を一括して請け負う、いわば「ものづくり」を支える重要な産業です。しかし、近年、千代田化工建設では、大型プロジェクトにおける採算悪化が大きな課題となっていました。今回の山東社長による「事業革新室」室長兼務は、まさにこの現状を打破するための、トップダウンによる変革の狼煙と受け止められます。SNS上では「ついに本気で変わるのか」「社長自ら先頭に立つのは期待できる」といった、この人事に対する前向きな反響が見受けられました。
また、今回の人事では、プロジェクト(P)管理体制の見直しも行われています。これまでP管理本部長を務めていた阿部泰光常務執行役員は、「戦略・リスク統合本部副本部長」に就任されるのです。プロジェクト管理とは、納期や予算、品質などを厳格に管理し、プロジェクトを成功に導くためのマネジメント活動のことですが、この本部長経験者がより広範な「戦略」や「リスク」を統括する部署に異動されるのは、同社が個別のプロジェクトの成功だけでなく、企業全体のリスクヘッジ、つまりリスクを未然に防ぎ、最小限に抑える体制を強化しようとしている表れだと推測されます。
さらに、同じくP管理本部長の任にあった遠藤英樹氏は、「電力・エネルギーシステムP」担当に配置転換されます。これは、同社が得意とする石油精製やLNG(液化天然ガス)といった分野に加え、再生可能エネルギーなど、変化の激しい電力・エネルギーシステム分野でのプロジェクト推進に、より専門性と経験を活かして取り組んでいく体制を構築する狙いがあると考えられます。これらの人事は、過去の経験を活かしつつ、新たな戦略的な重要分野に経営資源をシフトさせるという、千代田化工建設の明確な方向性を示していると言えるでしょう。
私見ですが、今回の「事業革新室」新設とそれに伴う人事異動は、企業が環境変化に適応し、成長を続けるために、自己変革を果たすことの重要性を強く示唆していると思います。特にエンジニアリング業界は、技術革新が目覚ましく、また国際的な競争も激しい分野です。山東社長が陣頭指揮を執ることで、千代田化工建設がどのようにその事業構造を刷新し、再びグローバル市場で輝きを取り戻すのか、今後の動向から目が離せません。
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