2019年07月05日に東証マザーズへの上場を果たした株式会社フィードフォースが、次なる成長戦略を鮮明に打ち出しました。同社を率いる塚田耕司社長は、今回のIPO(新規公開株)で確保した資金の使途について、技術力の根幹を支えるエンジニアの採用に集中的に投下する考えを表明しています。現在は年間で10名から15名というペースで人材を確保していますが、この積極的な増員体制を継続し、組織の地力を底上げしていく構えでしょう。
同社の強みは何といっても、インターネット広告の最適化に欠かせない「データフィード事業」にあります。これは、企業が持つ膨大な商品データを、GoogleやFacebookといった広告媒体が指定する特定の形式に自動で変換・送信する仕組みを指します。SNS上では「地味に見えて実はEC運営に不可欠なインフラ」と、その重要性を再認識する声が上がっており、煩雑なデータ管理を自動化できる点に高い関心が寄せられているようです。
EC Boosterで中小企業の販路を拡大
今後の事業展開において、塚田社長が特に注力するのが中堅・中小のEC事業者を対象とした「EC Booster」というサービスです。これまでは大手企業が中心だった高度な広告運用を、より幅広い層の事業者が手軽に導入できる環境を整えることで、取引先の母数を飛躍的に増やしていく計画でしょう。多くのショップ運営者が抱える「集客の悩み」を解決する一手として、市場からは大きな期待の眼差しが向けられています。
一方で、現在のデジタル広告業界が直面しているのが、欧州の「GDPR(一般データ保護規則)」に代表される個人情報保護の厳格化です。これはユーザーのプライバシーを守るための非常に厳しいルールであり、広告配信の精度が低下する懸念も囁かれています。しかし塚田社長は、機械学習を駆使することでこの荒波を乗り越える方針です。AIによる高度な分析を活用すれば、特定の個人情報に過度に依存せずとも、高い広告効果を維持できると確信しています。
プラットフォーマーとの連携が鍵を握る
さらに同社は、巨大な広告媒体を持つプラットフォーマーとの連携を一層強化していく予定です。変化の激しい業界だからこそ、独力で立ち向かうのではなく、外部の強力なパートナーと足並みを揃えることが安定した成長に繋がるでしょう。投資家の間でも「変化をピンチではなく、技術革新のチャンスと捉える姿勢が頼もしい」というポジティブな反応が見られ、上場直後の勢いそのままに攻めの姿勢を崩さない様子が伺えます。
編集者の視点から見れば、同社の戦略は極めて合理的かつ誠実なものだと感じます。労働人口が減少する中で、エンジニアという「知の資産」への投資を優先し、さらに中小企業のデジタル化を支援する姿勢は、日本経済の底上げにも直結するはずです。プライバシー保護という時代の要請に応えながら、テクノロジーで商売の可能性を広げていく同社の歩みは、多くのEC関係者にとって希望の光となるのではないでしょうか。
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