【2019年最新】建設業界に忍び寄る倒産の足音。五輪バブルの裏側で中小企業が直面する「人手不足とコスト高騰」の正体とは?

建設業界にとって追い風が吹き荒れた数年間でしたが、2019年08月22日現在、その風向きが大きく変わりつつあるようです。震災からの復興工事や「国土強靭化計画」に加え、目前に迫る東京五輪・パラリンピックに向けた都市再開発など、業界を彩るトピックには事欠きませんでした。事実、負債額1000万円以上の法的整理による倒産件数は、2009年から2018年まで10年連続で減少を続けてきたのです。しかし、華やかな再開発の影で、中小企業の経営を圧迫する深刻な危機が静かに、そして確実に忍び寄っています。

ここで「国土強靭化」という言葉について解説しましょう。これは、大規模な自然災害が起きても致命的なダメージを負わないよう、事前に対策を講じて強くてしなやかな国をつくる国家戦略を指します。具体的には古い橋の補強やダムの整備などが含まれますが、こうした公共事業の増加をもってしても、すべての中小企業が恩恵を受けられるわけではありません。好景気という見かけ上の数字とは裏腹に、現場では同業他社との受注競争が激しさを増しており、利益を削り合う消耗戦が繰り広げられているのが実態なのです。

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相次ぐ自己破産から読み解く「契約の甘さ」と「資金繰り」の落とし穴

最近の事例を見ると、建設業界が抱える歪みがより鮮明に浮かび上がってきます。例えば、東京・千代田区に拠点を置いていた「ヨシケン」は、一部の現場で発生した大幅な赤字工事が引き金となり、資金繰りが一気に悪化しました。最終的には下請け業者からの法的な訴えを受け、自己破産を申請するに至っています。また、渋谷区の「キュージーエス」も同様に、負債額約8億2700万円を抱えて倒産しました。同社の場合は、工事の範囲や報酬額が曖昧なまま着工してしまい、追加の対価を得られなかったことが致命傷となったようです。

こうした事態を受け、SNS上でも現場の悲鳴が目立ち始めています。「仕事はあるのに、やればやるほど赤字になる」「資材の値段が上がりすぎて、当初の見積もりでは到底収まらない」といった投稿が散見されます。中には「下請けへの支払いが遅れている噂を聞くと、明日は我が身だと震える」という切実な声もあり、業界全体に漂う不安感は日に日に増している印象を受けます。どれほど受注が順調に見えても、その内実が適正な利益を伴っていなければ、会社という船は簡単に沈没してしまうという現実を物語っています。

ここで言う「自己破産」とは、支払い能力がなくなったことを裁判所に認めてもらい、残った借金を免除してもらう手続きのことです。企業にとっては最終手段であり、社会的信用をすべて失う苦渋の選択と言えるでしょう。キュージーエスの事例で問題となった「業務範囲の曖昧さ」は、古くからの職人気質が残る建設業界特有の課題かもしれません。しかし、2019年08月22日現在の厳しい経営環境においては、「言わずもがな」という信頼関係に頼る商習慣こそが、中小企業の首を絞める最大の要因になっているのです。

東京は全国以上の人手不足?積み上がる「倒産予備軍」という名のマグマ

帝国データバンクの最新の調査によれば、東京都における建設業の人手不足感は、なんと全国平均を上回る深刻な数値となっています。人が足りなければ、当然ながら現場を動かすための「労務費」や「外注費」は跳ね上がります。それに加えて生コンクリートや鉄筋などの建設資材費も高騰の一途をたどっており、中小企業はまさに「青息吐息」の状態です。青息吐息とは、非常につらくて苦しい時に出るため息のことで、今の建設業経営者が置かれた窮状をこれほど的確に表す言葉はないかもしれません。

私自身の見解を述べさせていただくと、現在の建設業界は「見せかけの好景気」が生んだ歪みの頂点に達していると感じます。五輪需要という特需が終わりを迎える前に、すでに中小企業の体力は限界を迎えているのではないでしょうか。大手ゼネコンが利益を確保する一方で、そのしわ寄せがすべて下請けの中小企業に集約されている構造は、健全とは言い難いものです。今後は技術力だけでなく、緻密な原価管理や、リスクを事前に回避するための契約書作成能力が、生き残るための必須条件となっていくに違いありません。

足元では、表面化していない「倒産予備軍」がマグマのように着々と積み上がっていると予想されます。これまでは低金利や金融機関の柔軟な対応でしのいできた企業も、一度バランスを崩せば一気に崩落するリスクを孕んでいます。東京五輪を翌年に控えた2019年08月22日、私たちはこの「変化の兆し」を決して見逃してはなりません。業界の主役である中小企業が活力を取り戻すためには、単なる受注の確保ではなく、適正な価格転嫁と労働環境の抜本的な改善が、今すぐ必要とされているのではないでしょうか。

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