2019年6月10日、日本経済新聞社と総務省が主催する「世界デジタルサミット2019」が、東京・大手町の日経ホールで華々しく開幕いたしました。今年のテーマは「IT革命から『DT革命』へ~データ技術が拓く新時代」です。ここでは、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)といった革新的な技術、次世代通信規格である「5G」、そして金融と技術を融合させた「フィンテック」など、最先端の技術動向について活発な議論が交わされる予定です。
なかでも、顧客情報管理(CRM)の分野で世界的なリーダーシップを誇る米セールスフォース・ドットコムのキース・ブロック共同最高経営責任者(CEO)による講演は、大きな注目を集めました。ブロックCEOは、今まさに世界で**「2つのデジタル変革の波」が押し寄せていると指摘されています。これは、すべての企業人にとって聞き逃せないメッセージだと言えるでしょう。「デジタル変革」**、つまりデジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業がデータとデジタル技術を駆使して、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを根本から変革することを意味する重要な概念です。
まず第一の波として、ブロックCEOは、米マイクロソフトの「Azure(アジュール)」をはじめとするクラウドサービスが、情報技術の基盤となるプラットフォーム自体を大きく変革している点を挙げました。かつては自社でサーバーなどを保有していた時代から、インターネット経由で必要な時に必要なだけコンピューティングリソースを利用する形へと、インフラの在り方が劇的に変わったのです。そして、この基盤の進化によって引き起こされるのが、第二の波、すなわち「会社がビジネスモデルを変える」という、より本質的な変革なのです。
これは、単に業務を効率化するだけにとどまりません。蓄積された膨大なデータを、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things、様々なモノがインターネットに繋がること)といった技術と組み合わせることで、今まで考えられなかったような新しい価値や、顧客との繋がりを生み出せるようになります。例えば、顧客の購買データをAIで分析し、その人に最適化された製品やサービスを提案したり、工場内の機器の稼働状況をIoTでリアルタイムに把握して、故障を未然に防いだりする、といったことが可能になるでしょう。
このブロックCEOの発言は、SNS上でも大きな反響を呼んでいます。「DXという言葉が流行っているが、本質はビジネスモデルの変革だという言葉に納得した」「これからはIT部門だけでなく、経営層全体でデジタル戦略を考えないと生き残れない」といった意見が多数見受けられ、企業経営におけるデジタル技術の重要性を再認識させられるきっかけとなりました。実際に、多くの企業が変革の必要性を感じているからこそ、このサミットやブロックCEOの言葉に熱い視線が注がれているのでしょう。
私見ではございますが、この「DT革命」は、すべての業界に平等に機会を与えるものではないと考えます。変化を恐れず、いち早くデータ活用とビジネスモデルの再構築に取り組んだ企業が、今後さらなる成長を遂げるのは間違いないでしょう。特に、まもなく本格導入される5G(第5世代移動通信システム)は、現在の4Gよりも圧倒的に高速・大容量であり、多数同時接続が可能になるため、IoTやAIの進化を加速させる「ゲームチェンジャー」となるはずです。企業は、この技術革新の波をしっかりと捉え、顧客中心の新たな価値創造へと邁進すべき時を迎えているのではないでしょうか。
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