【驚異の7~8割の精度!】東京理科大・明治大が開発した真菌の遺伝子改変技術が拓く発酵食品と医薬開発の未来

東京理科大学と明治大学の研究グループが、画期的な遺伝子改変技術の開発に成功しました。これは、カビや酵母菌といった真菌(しんきん)のゲノム、つまり遺伝情報の全体を、非常に高い効率で望み通りに改変できる手法です。具体的には、外部から持ち込んだ外来遺伝子を、DNAの狙った場所に、驚くべきことに7~8割という高精度で組み込むことが可能になったのです。この成果は、今後の微生物を用いた産業分野に大きな変革をもたらす可能性を秘めているといえるでしょう。

今回、研究グループが採用したのは、「クリスパー・キャス9」と呼ばれるゲノム編集技術です。これは、特定の塩基配列、すなわちDNAの場所を正確に認識し切断する酵素(Cas9)と、挿入したい遺伝子の設計図(鋳型)を、細胞壁を取り除いた真菌の細胞に送り込むことで機能します。DNAが切断されると、生物が本来持つ修復機能が働き出します。この修復の過程を利用して、切れた部分の周辺を、用意した鋳型の配列と置き換えることで、目的の外来遺伝子を効率良く導入できる仕組みです。

これまでの同様の技術は、減数分裂(げんすうぶんれつ)を行う生殖細胞など一部の細胞を除いて、遺伝子の入れ替え効率が低いことが課題とされてきました。しかし、この最新の研究によって、カビや酵母などの真菌においても、遺伝子の導入や置き換えが極めて効率的に発生することが明らかになったのです。この発見は、真菌を扱う多くの研究者にとって朗報であり、SNS上でも「日本の研究が世界を変えるかもしれない」「画期的な進歩だ」といった期待感と興奮の声が多数寄せられています。

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微生物の能力を引き出す新技術の応用範囲

この高効率な遺伝子改変技術は、多岐にわたる分野での応用が期待されています。例えば、私たちが日常的に口にする発酵食品の品質改良です。みそやしょうゆ、日本酒といった食品の製造に不可欠なカビや酵母の能力をコントロールすることで、より風味豊かな、あるいは機能性の高い食品の開発につながるでしょう。また、農作物を病気から守る研究にも活用できます。実験では、イネに甚大な被害をもたらすイネいもち病菌に、蛍光を発する蛍光たんぱく質を作る遺伝子を、7~8割の確率で導入できることが確認されています。

さらに、この技術は、複数の遺伝子を一度に導入したり、既存の遺伝子の一部分だけを改変したりする操作にも応用可能です。私見ですが、この技術の最も大きな意義は、微生物の細胞を「細胞工場」として活用する技術、すなわちバイオテクノロジーの進展を加速させる点にあると考えられます。真菌の細胞内で、これまで生産が難しかった医薬品の有効成分や、産業上有用な化学物質を、安価かつ大量に作る技術の開発に道を開くことになるでしょう。この成果は、2019年6月13日の時点で、日本のバイオ産業の国際的な競争力を高める重要な一歩になるに違いありません。

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