2019年09月15日の今日、皆さんはどのような心持ちで夜空を見上げているでしょうか。実は、一昨日である2019年09月13日は、旧暦の08月15日にあたる「中秋」の節句でした。暦の上では最も美しい月を楽しめる時期ですが、残念ながら日本列島の広範囲で雲が広がり、お月見を十分に満喫できなかった方も少なくないようです。
しかし、落胆する必要は全くありません。日本には古くから、一度の見物で終わらせない奥深いお月見の文化が根付いています。お花見の盛りは一瞬ですが、月の宴は長期間にわたって楽しむことが可能です。例えば、来月あたる旧暦09月の「十三夜」は、栗や豆をお供えして名月を愛でる風習があり、秋の夜長を再訪する絶好の機会となるでしょう。
SNS上では、「お団子を準備したけれど曇りで見えなかった」という嘆きの声がある一方で、「雲の切れ間から見えた月が幻想的だった」という投稿も目立ち、現代でも月が人々の心を掴んでいることが伝わります。ところで、月と聞いて多くの人が連想するのは、やはり今からちょうど50年前の出来事ではないでしょうか。1969年07月の出来事は、私たちの歴史に刻まれています。
1969年07月、アポロ11号が人類史上初めて月面に降り立ち、当時の世界を熱狂の渦に巻き込みました。ニール・アームストロング船長が残した「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」という名言は、半世紀が経過した2019年現在も色褪せることなく、私たちの胸を熱くさせてくれます。この快挙は科学の勝利を象徴するものでした。
世界が再燃する月探査の熱気と新たな挑戦
不思議なことに、月への挑戦を掲げたプロジェクトは、太陽神を意味する「アポロ」の名を冠していました。その後、一時的に月への関心は停滞期を迎えましたが、近年になって再び各国の開発競争が激化しています。その中心にいるのは、急速な発展を遂げている中国とインドです。それぞれの国が持つ文化や神話を背景にした、非常に情緒的な名称が付けられています。
中国の「嫦娥(じょうが)」計画は、月に住むとされる伝説の仙女から名付けられました。また、インドの「チャンドラヤーン」はサンスクリット語で「月の乗り物」を意味し、アメリカの命名に比べるとストレートで親しみやすい印象を受けます。こうした独自の視点を持つ国々の参入は、私たちがまだ知らない月の真の姿を解き明かすための、強力な推進力となるに違いありません。
地球にとって唯一の自然の衛星であり、いわば「半身」とも呼べる存在の月を深く理解することは、科学的に極めて重要です。しかし、近年の開発には資源の独占や軍事的な利用といった、やや世俗的な影がちらついている点も否定できません。国家間の覇権争いの道具として月が消費される現状には、個人的にも一抹の寂しさを感じざるを得ません。
平安時代末期の歌人である西行は、「月を見上げると、来年もまたこの輝きを見たいからこそ、命が惜しくなる」という趣旨の歌を詠みました。何百年も昔から変わらない、純粋に月の美しさを慈しむ心こそが、私たちが忘れてはならない精神ではないでしょうか。2019年の秋、技術の進歩を誇りつつも、静かに月を愛でる風雅な時間を大切に守り抜きたいものです。
コメント