2019年、輸出大国・日本の転換点?米中貿易摩擦が招く世界経済の冷え込みと内需活性化の処方箋

2019年10月01日現在、かつて「輸出」で世界を席巻した日本経済が、これまでにない大きな壁に直面しています。財務省が発表した「貿易統計」を紐解くと、日本の輸出額は2018年12月から数えて9カ月連続で前年実績を下回るという、極めて厳しい状況に陥っていることが判明しました。直近12カ月のうち、輸入額が輸出額を上回る「貿易収支の赤字」を記録した月が7回にものぼっており、もはや外貨を稼ぐ力が弱まっている事実は否定できません。

この輸出の停滞は、単に企業の売上数値が下がるだけにとどまらず、国内の工場での生産活動や、将来を見据えた設備投資を抑制させるという負の連鎖を引き起こしています。SNS上では「かつての技術大国としての勢いを感じられない」「製造業の現場から悲鳴が聞こえる」といった、現状を憂慮する声が相次いで投稿されています。長年、日本を支えてきた経済モデルが根底から揺らぎ始めていると言わざるを得ない、危機的な局面を迎えているのです。

しかし、この苦境は日本一国に限った問題ではありません。オランダ経済分析局が算出する世界貿易統計に目を向けると、2019年06月時点の実質世界輸入は前年比1.4%の減少に転じています。巨大市場である中国の景気減速が、アジア諸国のみならず世界全体へと波及しつつあるのです。世界貿易の規模は2018年10月をピークとして、現在は縮小局面に入っており、世界貿易機関(WTO)による2019年07月から09月の予測も、厳しいマイナス指標を示しています。

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米中貿易摩擦がもたらす影と、内需主導型経済へのシフト

日本製品の競争力低下を懸念する指摘も散見されますが、最大の要因は、昨年来より続く「米中貿易摩擦」に他なりません。これは、世界二大経済大国であるアメリカと中国が、互いの輸入品に対して高い関税をかけ合う政治的な対立を指します。この影響で世界全体の貿易が収縮し、特に日本が得意とする自動車産業や半導体分野が、政治的な駆け引きの「重石」となって輸出を妨げています。米大統領選を控えた現在、この霧がすぐに晴れるとは期待しにくいでしょう。

輸出による成長が望めないのであれば、私たちは「内需」、つまり日本国内での消費や投資をどう掘り起こすかに知恵を絞らねばなりません。しかし、2019年04月から06月の「法人企業統計」では、企業が支払う人件費がついに前年比マイナスとなりました。給与が増えて消費が回るという「前向きな経済循環」が崩れかけているのです。本日、2019年10月01日からは消費増税も実施されるため、個人消費の大幅な伸びを期待するのは現実的ではないかもしれません。

編集部としての見解ですが、今の日本に必要なのは、過去の成功体験である「輸出頼み」からの脱却です。当面は政府による機動的な財政出動で下支えをしつつ、官民が手を取り合って「新たな稼げる市場」を国内に創出することが急務といえます。例えば、デジタルトランスフォーメーションを通じた生産性の向上や、地方創生による潜在的な需要の喚起など、内側からエネルギーを生み出す姿勢こそが、この不透明な時代を生き抜く唯一の鍵となるはずです。

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