国内通信大手のNTTドコモが、既存の常識を打ち破る大胆なキャンペーンを打ち出しました。2019年11月26日、同社はAmazonジャパンが提供する人気有料会員サービス「Amazonプライム」の年会費を、1年間ドコモが全額負担すると発表したのです。対象となるのは、2019年6月から提供されている新料金プランの契約者たちです。通信キャリアとECプラットフォームの巨人が手を組んだこの試みは、今後のモバイル業界の勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めているでしょう。
今回の施策の目玉は、何といっても「Amazonプライム」の年会費4,900円(税込)が完全に無料になる点にあります。プライム会員になれば、注文した商品がその日に届く当日配送や、好きな時間に受け取れる配送日時指定が使い放題になるほか、動画配信サービスの「プライム・ビデオ」といった多彩な特典を享受できます。これほど魅力的な付加価値を、ドコモが自腹を切ってまで提供する背景には、激化する顧客獲得競争と、目前に迫った次世代通信規格「5G」の足音があるようです。
具体的にこの恩恵を受けられるのは、大容量データ通信が可能な「ギガホ」の契約者です。ギガホとは、月に30ギガバイト(10億バイト)もの膨大なデータを扱えるプランのことで、動画視聴やゲームを存分に楽しみたい層に支持されています。さらに、データ使用量に応じて料金が変動する「ギガライト」のユーザーも、当面の間はこのキャンペーンの対象に含まれることになりました。2019年12月01日から受付が開始されるため、冬の商戦期に向けた大きな注目を集めるのは間違いないでしょう。
端末値引き制限の壁を越える!5G時代に向けた「囲い込み」の新機軸
なぜドコモは、これほどまでに強気なキャンペーンに踏み切ったのでしょうか。その答えは、2019年10月01日に施行された改正電気通信事業法にあります。この新しいルールでは、スマートフォン端末の過度な値引きが2万円までに制限されました。これまでのような「端末価格の実質0円」といった手法で顧客を惹きつけることが困難になったため、各社は通信料金そのものの魅力や、外部サービスとの連携といった「中身」の充実で勝負せざるを得なくなったのです。
SNS上では「ドコモユーザーで良かった」「Amazonをよく使うから実質的な値下げで嬉しい」といった喜びの声が上がる一方で、他キャリアのユーザーからは「自分の会社も追随してほしい」という羨望の眼差しが向けられています。ドコモ側も、実は1年以上前からこの連携を虎視眈々と準備してきました。過去に招待制で実施した試験的なキャンペーンにおいて、解約率の低下や新規顧客の獲得に劇的な効果が見られたことが、今回の本格導入を後押しした決め手となったようです。
私個人の見解としては、この動きは単なるサービス合戦ではなく、生活インフラとしての「プラットフォームの融合」だと感じます。通信回線を選ぶことが、そのまま動画配信やショッピングの利便性に直結する時代が到来したのです。5Gという超高速・低遅延の世界では、リッチなコンテンツをいかにストレスなく提供できるかが鍵となります。ドコモがAmazonという強力なパートナーを選んだことは、5G時代の覇権を握るための極めて賢明な一手と言えるのではないでしょうか。
コメント