「石の上にも三年」はもう古い?若手が大手企業を2年で去る、驚きの本音とキャリア観

2019年11月27日、就職市場では学生が有利な「売り手市場」が続いています。しかし、せっかく採用した若手社員が、わずか数年で会社を去ってしまう現象に多くの企業が頭を抱えているのが現状です。

決して待遇や給与に不満があるわけではなく、むしろ誰もが知る大手企業から飛び出す若者が増えています。彼らは一体何を求めているのでしょうか。今回はビズリーチ協力のもと、早期転職を経験した3名による座談会を開催しました。

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「自分の代わりはいくらでもいる」という焦燥感

かつては「石の上にも三年」という言葉通り、一つの会社でじっくり経験を積むのが美徳とされてきました。しかし、登壇した3名は共通して1社目を約2年で退職しています。その最大の理由は、大手特有の「分業制」による裁量の小ささでした。

ゲーム制作会社に勤めていた馬場氏は、仕事の範囲が限定的で困難を乗り越える機会が乏しかったと振り返ります。自分がいてもいなくても組織に影響がないと感じる状況は、成長を渇望する若者にとって、耐えがたい「焦り」に繋がっているようです。

ここでいう「裁量」とは、自分の判断で仕事を進められる範囲を指します。SNS上でも「若いうちに責任ある仕事を任されないと、市場価値が上がらない」という声が多く、単なる定型業務に終始することへの危機感は、現代の若者特有の感覚といえるでしょう。

「なんとなく大手」を選んだ新卒時の後悔

座談会では、学生時代の就職活動に対する反省も語られました。岩下氏は「周囲がメガバンクや官僚を目指すから自分も大手が良い」という、いわゆる大手信仰に縛られていたと明かしています。本質的な自己分析を欠いたままの入社が、ミスマッチを生んだのです。

柏原氏もパンフレットや説明会だけで判断し、実際の現場を知るためのインターンシップ(就業体験)を疎かにしていたといいます。入社後に「何かが違う」と感じた際、すぐに動けるよう資格取得などの準備をしておくべきだったという言葉は、現役学生にも響くはずです。

編集者としての私見ですが、今の若者は「安定」の定義を「会社の規模」ではなく「どこでも通用するスキル」に求めています。そのため、教育という名目で単純作業を強いる古い体質の企業は、今後ますます優秀な人材を失っていくことになるはずです。

通年採用と終身雇用の終焉がもたらす未来

経団連が推進する「通年採用」についても議論が及びました。これは特定の時期に一斉に採用するのではなく、年間を通じて自由に採用活動を行う仕組みです。学生が興味を持ったタイミングで応募できるため、より主体的なキャリア選択が可能になります。

一方で、一括採用が「セーフティーネット(安全網)」として機能していた側面も否定できません。全員が自由に動けるようになると、自ら動かない層が取り残されるリスクもあります。2019年5月にはトヨタ自動車の社長も「終身雇用の維持は難しい」と発言しました。

もはや会社は一生を捧げる場所ではなく、自己実現のための「ツール」へと変化しています。企業側には、若者を「いつか辞める存在」として捉えた上で、それでも働きたいと思わせる魅力的な挑戦の場を提供し続ける、柔軟な姿勢が求められているのでしょう。

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