日銀の次なる一手は年明けか?政府との「財政・金融タッグ」で描く景気下支えのシナリオ

足元の日本経済は、米中貿易摩擦の緊張が和らいだことで、株高と円安が進む穏やかな小春日和のような状況が続いています。アメリカ経済の底堅さを示すデータも次々と発表されており、市場関係者の間では「日本銀行は2019年12月の会合でも追加の金融緩和を見送るのではないか」という観測が強まってきました。しかし、その視線の先にあるのは2020年の年明け、政府の財政出動と歩調を合わせた「強力なタッグ」の結成です。

日銀の黒田東彦総裁は、2019年11月5日の会見で、将来の利下げの可能性をより明確に示す「フォワードガイダンス」の修正について語りました。フォワードガイダンスとは、中央銀行が将来の金利方針をあらかじめ市場に約束する指針のことです。日銀は現在、金利を今よりさらに下げる「マイナス金利の深掘り」を視野に入れていますが、今すぐ動いて市場に無用な波風を立てる必要はない、というのが政府・日銀の本音のようです。

専門家の見方も慎重です。大和証券の岩下真理氏らは、アメリカの連邦準備理事会(FRB)が動かない中で、日銀だけが突出して緩和に動く必要性は低いと指摘しています。2019年11月11日時点で日経平均株価は2万3000円台を維持し、円相場も1ドル=109円前後と安定しています。自民党幹部からも「あえて混乱を招く状況を作るべきではない」との声が出ており、2016年にマイナス金利を導入した際の混乱を教訓に、慎重に機を伺っている様子が伺えます。

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「ポリシーミックス」という名の最強の演出

そこで浮上しているのが、政府の補正予算と日銀の緩和を組み合わせる「ポリシーミックス(政策協調)」です。黒田総裁も、財政と金融がバラバラに動くよりも、一体となって実施したほうが効果は高まると明言しました。2019年度の補正予算案は5兆円規模になると見られており、これが成立する2020年1月下旬のタイミングこそ、追加緩和のカードを切る「最大級の舞台」になるとの期待が政府関係者の間でもくすぶっています。

もちろん、先行きは決して楽観視できません。トランプ米大統領のSNSでの発言ひとつで市場が暗転するリスクや、イギリスの欧州連合(EU)離脱問題など、火種は世界中に転がっています。SNS上でも「消費増税後の買い控えが心配」「日銀の弾切れではないか」といった不安の声が上がっており、家計の冷え込みを防げるかどうかが大きな焦点です。日銀内部では「いつでも動く覚悟はある」と、幹部たちが鋭い眼光を緩めていません。

編集者としての私見ですが、今回の日銀の動きは、単なる「待ち」ではなく、最も効果的な一撃を見極めるための「戦略的待機」だと感じます。限られた政策手段を最大限に活かすためには、政府が5兆円という巨額の資金を投じるタイミングに合わせるのが最も合理的でしょう。2020年の幕開けとともに、日本経済をもう一段階押し上げるための「日銀・政府の共同宣言」が飛び出すのか、その演出の仕上がりに注目していきたいところです。

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