キリンHD、豪飲料事業を売却し「負の遺産」と決別!健康・クラフトビールへ舵を切る世紀の大転換

キリンホールディングス(HD)が、大きな決断を下しました。2019年11月25日、同社は傘下のオーストラリア飲料大手「ライオン飲料」を、2020年中に中国の乳業大手である蒙牛(もうぎゅう)乳業へ売却することを発表したのです。

この決定により、長年の懸案事項だった海外事業の構造改革がいよいよ最終局面を迎えます。かつて規模の拡大を追い求めたM&A(企業の合併・買収)戦略の失敗を乗り越え、同社は新たな成長戦略へと力強く一歩を踏み出すことになりました。

SNS上では「ついに負の遺産を整理したか」「ファンケルとの提携もそうだけど、健康志向へのシフトが明確」といった、驚きと期待が入り混じった声が上がっています。市場関係者も、このスリム化を冷静かつ肯定的に受け止めているようです。

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過去の失敗から学び、量より質を重視する経営へ

キリンは2006年以降、連結売上高3兆円という巨大な目標を掲げ、1兆円を超える巨額の資金を投じて海外企業の買収を繰り返してきました。しかし、約3000億円で買収したブラジル事業が激しい競争に巻き込まれ、経営を圧迫しました。

多額の投資が重なる一方で、国内シェアも低下。2015年12月期には、上場以来初となる最終赤字という苦い経験を味わいました。M&Aとは、単なる買い物ではなく、その後の経営統合がいかに重要であるかを痛感させる出来事でした。

今回の売却額は約6億豪ドル、日本円で約456億円にのぼります。利益の大きな伸びが期待しにくい不採算部門を手放すことで、キリン幹部が「これで負の遺産が一掃できる」と語る通り、同社は身軽な経営体質を手に入れたといえます。

ファンケル提携とクラフトビールで描く100年後の未来

これからのキリンが注力するのは、こだわりが詰まった「クラフトビール」と、人々の健やかな暮らしを支える「健康事業」です。すでに米国のクラフトビール大手を買収し、嗜好性の高い市場での存在感を高める準備を進めています。

特に注目すべきは、2019年8月に発表されたファンケルとの資本業務提携でしょう。ビール離れが進む中で、飲料メーカーがサプリメントや化粧品の知見を取り入れるこの動きは、まさに生き残りをかけた大胆な事業転換と言えます。

私は、この「ビールの枠を超えた挑戦」こそが、今の日本企業に必要な勇気だと感じます。伝統に固執せず、時代のニーズに合わせて姿を変える姿勢は、投資家から厳しい視線を向けられつつも、長期的な企業価値を高めるはずです。

野村証券の藤原悟史アナリストが「実績を残すしかない」と説くように、新事業の成否はこれからの成果に委ねられています。2021年12月期までの新中期経営計画が、キリンをどのように進化させるのか、目が離せません。

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