北海道の空の玄関口である新千歳空港で、かつてない異変が起きています。2019年12月02日現在の報告によると、10月の韓国路線の利用客数が前年の同じ時期と比べて56%も減少するという、衝撃的な数字が明らかになりました。かつて北海道観光を力強く支えていた韓国人旅行者の足が遠のいており、現地の観光業界には緊張感が走っています。
SNS上では「新千歳の国際線ロビーが以前より静かになった」「お気に入りの観光地で韓国語を聞く機会が減った」といった、現場の空気感の変化を察知する声が相次いでいます。日韓関係の冷え込みが、想像以上にダイレクトに観光産業へ影を落としている様子が伺えます。昨年の震災時を上回るこの減少幅は、一過性の問題では済まされない深刻な事態と言えるでしょう。
震災時を上回るインパクト!他国が好調ななかでの孤立
2018年09月に発生した胆振東部地震の直後、韓国路線の乗降客数は36%減少しました。しかし、今回の落ち込みはその比ではありません。2019年10月の実績はわずか2万9876人にとどまり、回復基調にあった昨年の反動も相まって、マイナス幅が大きく拡大した形です。いわゆる「発射台(比較対象となる前年の数値)」が高かったことも、数字をより深刻に見せています。
特筆すべきは、他の国々とのコントラストです。中国線が26%増、台湾が14%増と、周辺諸国からのインバウンド(外からの訪日旅行)需要はむしろ旺盛で、アジア全体では北海道人気が続いています。それだけに、国別でトップシェアを誇っていた韓国の急減は、北海道全体の航空統計をも4%のマイナスへと引きずり下ろす結果となりました。
札幌の奥座敷として愛される定山渓温泉では、紅葉シーズンである2019年10月の賑わいが例年を下回っています。観光協会の担当者が「体感では8割減」と語る通り、数字以上の静けさが温泉街を包んでいるようです。多様な国からの客を呼び込む努力は続けられていますが、長年頼りにしてきた市場の喪失は、経営の現場に重くのしかかっています。
特定国への依存から脱却し、強靭な観光立国を目指すべき
登別伊達時代村のように、来場者の約4割を韓国人に頼っていた施設では、現在も2017年比で3割減の状態が続いています。私は今回の事態を、特定の市場に依存しすぎることのリスクが露呈した結果だと考えています。政治的な情勢に左右されない強固な観光基盤を作るためには、ターゲットのさらなる多角化が急務ではないでしょうか。
北海道には世界に誇る四季の美しさや食文化があります。今の状況を、欧米圏や東南アジアなど、新たな層への魅力を再定義する「攻めの転換点」と捉えるべきです。ピンチの後にこそチャンスは訪れます。官民が一体となって、どんな風が吹いても揺るがない「観光王国・北海道」のブランドを再構築していくことに期待しています。
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