神奈川県のビジネス界に、将来を揺るがしかねない衝撃的なデータが舞い込んできました。東京商工リサーチ横浜支店が県内1万378社を対象に実施した最新の調査によると、なんと72%もの企業で後継者が決まっていないことが判明したのです。この数字は全国平均の56%を大幅に上回るもので、都道府県別でも唯一7割の大台を突破しています。
SNS上では「地元のお気に入りの店がなくなるかも」「自分の会社は大丈夫だろうか」といった不安の声が広がっているようです。一見すると活気のある神奈川県ですが、その裏側では次世代へのバトンタッチが滞っている現状が浮き彫りになりました。活発な経済活動を維持するためには、この数字を真摯に受け止める必要があるでしょう。
なぜ、これほどまでに後継者不足が深刻化しているのでしょうか。大きな要因の一つとして、神奈川県特有の「起業ラッシュ」が挙げられます。新しい会社が次々と誕生しているため、創立から日が浅く、まだ将来の引き継ぎまで頭が回っていない若い経営者が多いという側面があるようです。若さゆえの勢いは素晴らしいものの、先を見据えた準備も欠かせません。
一方で、長年地域を支えてきた熟練の経営者たちにとっては、事態はより切実です。今回の調査結果では、代表者が70代の企業で約4割、80歳以上の高齢層でも3割を超える企業が「後継者未定」と回答しています。これはいわゆる「事業承継(じぎょうしょうけい)」、つまり会社の経営権や理念を次の代へ引き継ぐ作業が、瀬戸際の状態にあることを示しています。
情報通信業で不在率がトップに!予期せぬ廃業を防ぐための課題
業種別で詳しく見ていくと、最も不在率が高かったのは「情報通信業」の78%でした。変化の激しいIT業界では、最新技術への対応に追われるあまり、組織としての継続性を確保するのが難しいのかもしれません。しかし、どの業種においても不在率は6割を超えており、特定の業界だけではない、県内全体が抱える共通の課題と言えるはずです。
ここで懸念されるのが、代表者の急病などによる「不測の事態」です。もし準備がないまま経営が止まってしまえば、長年築き上げた取引先との関係や、従業員の雇用が瞬時に失われるリスクがあります。編集部としては、こうした「黒字廃業」を防ぐためにも、親族内承継だけでなく、第三者への売却や譲渡(M&A)といった柔軟な選択肢を検討すべきだと考えます。
2019年12月03日に発表されたこの調査結果は、神奈川経済の持続可能性に警鐘を鳴らしています。経営者が健康で活力に溢れている今こそ、将来のビジョンを明確にする絶好のタイミングではないでしょうか。地域経済の宝である技術やサービスを守り抜くために、社会全体で事業承継を支える仕組み作りが急務となっています。
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