2019年11月18日、世界中のビジネスリーダーが集う「日経フォーラム世界経営者会議」にて、エニタイムフィットネスの共同創業者であるデーブ・モーテンセン社長が、日本市場の圧倒的なポテンシャルと将来の展望を熱く語りました。2002年にアメリカで産声を上げた同社は、2008年からグローバル展開を加速させ、2010年には日本への上陸を果たしています。驚くべきことに、2019年12月末までには国内で700店舗を超えるネットワークを構築する見込みであり、その勢いはとどまるところを知りません。
モーテンセン氏は、日本のフィットネス参加率がわずか4%程度に留まっている現状を指摘しています。これは、欧州の平均12%やアメリカの20%と比較しても極めて低い数値です。SNS上では「意外とみんなジムに行っていないんだ」という驚きの声や、「これからもっと身近になるはず」といった期待感に満ちた反応が相次いでいます。健康意識が高いとされる日本ですが、運動を習慣化している層はまだ一部に限られており、裏を返せばこの市場には計り知れない成長の余地が残されていると言えるでしょう。
同社が掲げる壮大な目標は、日本国内で3000店舗を展開することです。これほどまでに強気な姿勢を保てる理由は、日本の高い人口密度が、アクセスの良さを重視する24時間営業モデルと完璧に合致しているからに他なりません。仕事や家事で忙しい現代人にとって、「いつでも・どこでも」通える利便性は、最大の壁であった「継続の難しさ」を打破する特効薬となります。私は、この「生活動線への徹底的な浸透」こそが、日本の健康寿命を延ばす鍵になると確信しています。
高齢者層へのアプローチとフランチャイズが支える信頼の絆
今後の成長戦略において重要なターゲットとなるのが、これまでジムに通う習慣が少なかった高齢者層の存在です。モーテンセン氏は、彼らがアクティブな生活を送り続けるためのサポートを積極的に行う意向を示しました。ここでいう「アクティブ」とは、単に激しい運動をすることではなく、日常生活を自立して楽しめる身体機能を維持することを指します。専門的な知識を持つスタッフが適切に介在することで、シニア世代が安心して運動を始められる環境を整えることは、超高齢社会を迎えた日本において社会的意義が非常に大きいと感じます。
現在、エニタイムフィットネスと同様のビジネスモデルを持つ競合他社が増えていますが、モーテンセン氏はこれを「自分たちの成功の証」として誇りに思うと述べています。模倣されることさえもブランドの価値として捉える器の大きさには驚かされます。同社がここまで短期間で世界的な成功を収めた背景には、フランチャイズ(FC)方式の巧みな運用があります。これは、本部から商標や経営ノウハウを提供し、加盟店が独立したオーナーとして運営する仕組みですが、成功の秘訣は単なるシステム以上に「人」にあります。
ブランドの哲学を深く理解し、同じ文化を共有できるパートナーを選定することが、グローバルブランドとしての質を保つ絶対条件です。ジムのあらゆる業務を現場で経験してきたモーテンセン氏だからこそ、現場の空気感やブランドアイデンティティの重要性を誰よりも熟知しているのでしょう。日本全国に広がる3000店舗というビジョンは、単なるビジネスの拡大ではなく、日本人のライフスタイルそのものを「健康」という軸でアップデートしようとする壮大な挑戦なのです。
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