英国EU離脱に揺るぐ欧州市場と日立製作所の次なる一手!米国高速鉄道計画とデジタル変革の最前線

2019年11月19日現在、世界経済の大きな懸念材料となっているのが、イギリスの欧州連合(EU)からの離脱、いわゆる「ブレグジット」です。この歴史的な転換期において、鉄道ビジネスの収益の約6割を欧州で稼ぎ出す日立製作所が、どのような戦略を描いているのかに注目が集まっています。

日立製作所で鉄道部門を統括するアリステア・ドーマー副社長は、離脱後のイギリス経済について、新たな貿易協定の締結に要する時間が不透明であると冷静に分析されています。これまでイギリスを欧州進出の重要拠点として位置づけてきた同社にとって、合意なき離脱が現実となれば、市場としての魅力が低下することは避けられないでしょう。

ネット上では「日本企業の英国離脱に対する準備は万全なのか」といった不安の声も上がっています。しかし、ドーマー氏は現時点で工場稼働や部品調達に支障はないと断言されました。鉄道事業では1カ月程度の在庫を常に確保しており、不測の事態にも対応可能な体制が整っていることは、投資家にとっても心強い材料と言えます。

スポンサーリンク

米国市場への進出とテキサス高速鉄道の可能性

欧州の不透明感とは対照的に、日立が熱い視線を送っているのが米国市場です。アメリカの主要都市にはメトロ(都市高速鉄道)が存在しますが、都市間の移動はいまだに航空機や自動車が主流となっています。ここに、日本が得意とする駅や商業施設を一体化させた都市開発、いわゆる「駅ナカ」文化を導入する余地が大きく残されています。

特に注目されているのが、テキサス州のダラスとヒューストンを結ぶ高速鉄道計画です。ドーマー氏は州政府から前向きな感触を得ていると明かしました。過去には頓挫したプロジェクトも多い米国ですが、経済的利益が明確なこの計画には、日本の新幹線技術が世界を席巻する大きなチャンスが秘められていると期待せずにはいられません。

ITと鉄道の融合が生む「Lumada」による差別化戦略

競合であるドイツのシーメンスやフランスのアルストムが統合を模索する中、日立はあえて規模の拡大を追わない独自の道を歩んでいます。同社が武器とするのは、膨大なデータを活用して価値を生み出すプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」です。これは、ITと物理的なインフラ技術を組み合わせ、運行の効率化や保守の最適化を実現する仕組みです。

日立は現在、自社の技術を補完するために多くのITスタートアップとの対話を重ねています。単なる車両の販売にとどまらず、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて鉄道のあり方そのものを再定義しようとする姿勢は、非常に先進的です。これこそが、グローバル競争において日立が選ばれる真の理由になるのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました