伝説のカリスマ、スティーブ・ジョブズ氏からバトンを受け取り、米アップルの舵取りを任されてから2019年12月11日時点で早くも8年が経過しました。現CEOであるティム・クック氏の手腕については、当初の不安を跳ね除ける圧倒的な数字がその実力を物語っています。
彼が就任した当時と比較すると、アップルの売上高と純利益はともに2倍以上の規模へと膨れ上がりました。投資家からの信頼も厚く、株価はなんと5倍を超える水準まで上昇しており、ビジネスの側面で見れば、これ以上ないほど輝かしい成功を収めていると言えるでしょう。
SNS上では「ジョブズ氏のような魔法はなくなったが、企業としての安定感は抜群だ」といった冷静な評価が目立ちます。その一方で、かつての熱狂を知るファンからは「既存製品のアップデートばかりで、世界を驚かせる発明が物足りない」という、贅沢ながらも切実な本音も漏れています。
盤石な経営基盤と、革新的なアイデアへの渇望
クック氏が最も得意とするのは、サプライチェーン・マネジメント、つまり部品の調達から製造、販売に至るまでの流れを最適化し、無駄を削ぎ落として利益を最大化する手法です。この緻密な戦略によって、アップルは世界で最も効率的に稼ぐ巨大企業へと進化を遂げました。
しかし、世間がアップルに求めているのは、効率性だけではありません。iPhoneという、私たちの生活を根本から変えてしまったデバイスに次ぐ「ポストiPhone」の登場です。現在の成長は過去の遺産を磨き上げた結果に過ぎないのではないか、という厳しい声も一部で上がっています。
編集者としての私見ですが、今のアップルは「革命家」から「賢明な守護者」へと姿を変えたように映ります。ジョブズ氏がゼロから1を生み出す天才だったのに対し、クック氏はその1を100にも1000にも広げる稀代のオーガナイザーであることは疑いようがありません。
2019年12月11日現在の状況を鑑みると、次の10年でアップルが真の革新性を取り戻せるかどうかが、クック氏の最終的な評価を決めるはずです。ウェアラブル端末やサービス事業へのシフトが進む中、再び世界を熱狂させる「One more thing」の瞬間を、私たちは待ち望んでいます。
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