参院選「1票の格差」は合憲?東京高裁判決から考える民主主義と投票価値の平等

日本の民主主義の根幹を揺るがす「1票の格差」をめぐり、新たな司法判断が下されました。2019年07月21日に投開票が行われた参議院議員通常選挙において、選挙区間の最大格差が3.00倍に達していたことは、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。この状況が憲法に違反しているとして、弁護士グループが選挙の無効を求めていた訴訟で、東京高等裁判所は2019年12月04日、合憲とする判決を言い渡したのです。

そもそも「1票の格差」とは、各選挙区の有権者数と定数の比率に差があるため、1票が持つ「政治への影響力」に不平際が生じる現象を指します。例えば、ある県では10万人の賛成で1議席決まるのに、別の県では30万人の賛成が必要だとしたら、後者の1票は前者の3分の1の価値しか持たないことになります。SNS上では「住んでいる場所で価値が変わるのは不公平だ」という不満の声がある一方で、「地方の声を届けるためには現在の仕組みも理解できる」といった多様な反響が巻き起こっています。

今回の東京高裁での判決によって、全国14の高等裁判所および支部で争われていた合計16件の訴訟判決がすべて出そろいました。その内訳を確認すると、合憲が14件、そして憲法違反ではないものの改善が必要な「違憲状態」が2件という結果になっています。村上正敏裁判長は、現行の選挙制度は不平等の解消に向けた努力がなされていると評価し、原告側の請求を棄却しました。

私は、この「合憲」という判断が続いている現状に、一種の危惧を抱かずにはいられません。司法が現状を肯定し続けることは、抜本的な定数是正への動きを鈍らせる可能性があるからです。1票の重みは、私たち市民が持つ最も基本的かつ強力な権利であり、これが居住地によって3倍も異なる状態を放置して良いはずがありません。司法には、より踏み込んだ「平等」への指針を示してほしかったと感じます。

今後の焦点は、最高裁判所による統一判断へと移ります。2020年にも示される見通しの最高裁の判断は、今後の日本の選挙制度を大きく変える契機になるでしょう。一人ひとりの声が平等に反映される政治を実現するために、私たちはこの訴訟の行方を注視し、政治家たちがどのように区割りや定数の問題に向き合っていくのかを厳しく見守る必要があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました