働く意欲を持つシニア世代にとって、避けては通れない大きな制度の転換点が訪れようとしています。厚生労働省は、60歳から64歳の労働者を対象とした「高年齢雇用継続給付」を、2025年度から段階的に廃止する方針を固めました。この決定は、働く高齢者の家計を支えてきた仕組みが、時代の変化とともにその役割を終えつつあることを示唆しています。
SNS上では、このニュースに対して「給付金がなくなれば生活が厳しくなる」という切実な声や、「企業側がしっかりと賃金を確保すべきだ」といった厳しい意見が飛び交っています。定年後の再雇用において、現役時代と比較して給料が大幅に減少することが珍しくない現状では、多くの方が今後の生活設計に不安を感じているようです。
高年齢雇用継続給付とは?制度の仕組みを解説
ここで、今回見直しの対象となる「高年齢雇用継続給付」について分かりやすく整理しておきましょう。これは、60歳時点の賃金と比べて、その後の給与が75%未満にまで落ち込んでしまった方に対し、雇用保険から補填が行われる制度です。月給の最大15%が支給されるため、急激な収入減少を和らげる「守り神」のような存在として親しまれてきました。
しかし、政府は2020年の通常国会に雇用保険法の改正案を提出する予定であり、2019年12月07日現在の最新情報によれば、2025年度に60歳を迎える方から段階的に給付額が削減されます。そして、2030年度を目途に、この給付制度そのものが完全に廃止される見通しとなっているのです。
なぜ今、廃止されるのか?2025年の完全義務化が鍵
なぜ長年続いてきた支援が打ち切られるのか、その理由は「高年齢者雇用安定法」の改正にあります。2025年度からは、希望する全員を65歳まで雇用することが企業に完全に義務化される予定です。国としては、雇用が法的に守られる以上、雇用保険で賃金を穴埋めする必要性は薄れたと判断したのでしょう。
私個人の意見としては、単に給付を打ち切るだけでなく、企業側が高齢者のスキルを正当に評価し、見合った賃金を支払う仕組み作りが不可欠だと考えます。給付金という「公助」がなくなるのであれば、それ以上に働く側が納得できる「自助」と「共助」の環境を整えなければ、シニアの就労意欲を削いでしまう恐れがあるからです。
2018年度の支給実績は前年度比で1.3%増の1769億円に達しており、高齢者の労働力への依存度は年々高まっています。2019年12月07日というこの時期に示された方針は、私たちが「何歳まで、どのように働くか」を真剣に考え直すきっかけになるはずです。制度の変わり目を冷静に見極め、将来に備えたキャリア形成が求められています。
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