日本の観光立国への切り札として期待されるカジノを含む統合型リゾート、いわゆるIR(Integrated Resort)事業を巡り、政界に激震が走っています。2019年12月19日、東京地検特捜部は自民党の秋元司衆院議員の事務所へ家宅捜索に入りました。これは、日本への進出を狙っていた中国企業による「外国為替及び外国貿易法(外為法)」違反事件に関連したもので、かつて内閣府副大臣としてIR政策を牽引したトップの疑惑に、世間の注目が集まっているのです。
今回の事件の鍵を握るのは、2001年に設立され、深センを拠点にオンラインゲームやスポーツくじ事業で急成長を遂げた中国企業です。彼らは2017年7月に日本法人を設立し、日本のIR市場へ熱烈なアピールを続けてきました。業界内では知名度が低かったものの、資金力を武器に政界工作を強めていたと見られています。こうした不透明な外資の動きに対し、SNS上では「日本の重要政策が海外企業の不適切な資金で歪められていたのではないか」という懸念の声が噴出しています。
急接近する政治家と企業、北海道・留寿都を舞台にした接待の影
秋元氏と中国企業の接点は、2017年8月4日に那覇市で開催されたシンポジウムにまで遡ります。当時、IR議連のメンバーとして政策に精通していた秋元氏は、この場で基調講演を行いました。驚くべきことに、同じ壇上には中国企業の経営トップも並び、日本への投資意欲を声高に叫んでいたのです。政治家が特定の企業の宣伝活動に加担しているかのような構図は、今思えば疑惑のプロローグだったのかもしれません。
さらに、舞台は北の大地へと移ります。2018年1月には、北海道留寿都村でのIR誘致計画が浮上しました。同年2月、秋元氏は同村を訪れ、村幹部や中国企業関係者らと豪華な会食を共にしていたことが判明しています。ここで語られる「外為法」とは、海外との資金移動を監視する法律ですが、今回の捜査は、届け出のない多額の現金が海外から持ち込まれ、それが政治側への「不適切な利益」となっていた可能性を追及しているのでしょう。
編集者としての視点から言えば、クリーンさが求められるIR事業において、特定企業との癒着疑惑は致命的です。秋元氏は「不正には一切関与していない」と断言していますが、特捜部が議員事務所の強制捜査に踏み切ったという事実は、それ相応の確証があることを示唆しています。IRは地域振興の夢を背負うプロジェクトであるべきで、一部の権力者や外資による私利私欲の道具にされることは、決して許されることではありません。
現在、北海道は2019年11月に誘致見送りを表明しており、中国企業の野望は一度潰えた形となっています。しかし、他地域でも米国のカジノ大手などが激しい参入争いを繰り広げているのが実情です。今回の事件を機に、日本のIR整備が利権にまみれた「砂上の楼閣」にならないよう、徹底した実態解明と透明性の確保が求められます。今後の特捜部の捜査の進展から、一時も目が離せそうにありません。
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