南都銀行の挑戦!奈良県のGDPを10%底上げする「10年計画」の覚悟と地域活性化戦略

奈良県を拠点に地域経済を支える南都銀行が、2019年12月13日、次期経営計画の驚くべき全貌を明らかにしました。2020年4月1日からスタートするこの10カ年計画において、同行は「10年後に奈良県内の総生産を10%増加させる」という壮大な目標を掲げています。一般的に銀行の経営計画といえば、利益や預金残高などの数値を追うものですが、地域の経済指標そのものを目標に据えるのは極めて異例の決断といえるでしょう。

ここで注目したい「県内総生産(県内GDP)」とは、一定期間内に県内で新しく生み出されたモノやサービスの付加価値の合計を指す言葉です。いわば、奈良県全体の経済的な「稼ぐ力」を測るバロメーターですね。南都銀行は、2016年度時点で約3兆5000億円だった実質県内総生産を、10年間で3500億円上積みすることを目指します。人口減少や高齢化という逆風が吹くなか、この数字を達成するのは決して容易なことではありません。

SNS上では「地銀がここまで踏み込むのはすごい」「奈良のポテンシャルを信じている証拠」といった驚きの声が広がっています。一方で「本当に銀行にそこまでできるのか」という冷静な意見も見受けられますが、県内シェアトップを誇る南都銀行が、あえて困難な道を選んだ背景には、地域と心中するほどの強い「覚悟」が滲み出ています。単なる金融機関の枠を超え、地域プロデューサーとしての役割を自らに課したといえるでしょう。

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観光と人材で挑む!奈良の課題を逆転の発想で解決へ

奈良県には、歴史的遺産が多い一方で「観光客が日帰りで立ち去ってしまう」という長年の課題が存在します。観光消費額が全国でも最低水準にとどまっている現状を打破するため、南都銀行は宿泊や飲食サービス業に自ら主体となって関わり、事業化を模索する方針です。単に資金を融資するだけでなく、県外に流出している雇用や消費をいかに県内に引き止めるかという、踏み込んだ戦略がこの計画の肝となっています。

また、中小企業の深刻な悩みである「人手不足」に対しても、画期的な解決策を提示しました。顧客企業へ経営幹部として派遣できる人材を350人も育成し、出向や転籍を通じて企業の経営を直接支援するというのです。これは、銀行員が企業の「右腕」となって現場に入り込むことを意味します。これまで以上に密接な信頼関係が築かれることは間違いありませんが、行員一人ひとりに求められる能力も飛躍的に高まることが予想されます。

私個人としては、この計画は地銀の「生存戦略」として非常に理にかなっていると感じます。マイナス金利政策によって、お金を貸して利息を得るという従来のビジネスモデルが限界を迎えるなか、コンサルティング能力こそが最大の武器になるからです。行員の半数に中小企業診断士などの資格取得を促す姿勢からは、専門知識を駆使して顧客の真の課題を解決しようとする、プロフェッショナル集団への脱皮が期待できるでしょう。

11年連続で赤字が続いていた本業の顧客向けサービスについても、5年後の黒字化を射程に入れています。情報を集約して営業に活かすデータ活用や、非金融業者との柔軟な連携など、新しい銀行の姿がそこには描かれています。2019年12月14日現在、地方銀行のあり方が問われる激動の時代ですが、南都銀行が描く「地域と共に成長する物語」が、奈良の未来を明るく照らす光になることを願ってやみません。

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