2019年12月27日現在、東南アジアやインドでは、日本の常識を覆すような劇的な決済の変革が巻き起こっています。この地殻変動を牽引しているのは、1980年代から2000年代以降に生まれた「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代です。彼らは生まれた時からインターネットが身近にあり、あらゆるサービスをスマートフォン一台で完結させるのが当たり前の日常となっています。
国連の推計データによれば、ASEAN諸国における15歳から34歳の人口は約2億1500万人に達しており、これは全人口の3分の1を占める巨大な勢力です。一方、日本の同世代は約2800万人と全人口の2割に過ぎず、その圧倒的なボリュームの差は歴然と言えるでしょう。インドに至っては世界最多の4億4000万人ものミレニアル世代が、新たな経済圏の主役として君臨しているのです。
スマホ至上主義が変える金融サービスの定義
この若い世代は、SNSや動画配信、配車アプリなどを駆使し、使い勝手の悪いアプリは容赦なく削除します。既存の銀行口座があっても、そのオンラインバンキングすら使わず、利便性の高い新興の送金アプリを愛用するほどです。ここで重要視されるのが「UX(ユーザー体験)」、つまりユーザーがサービスを通じて得る使い心地や満足感のクオリティに他なりません。
彼らの多くはクレジットカードを持たず、金融機関からの借り入れ経験もないため、従来の審査基準では「信用」を測ることが困難でした。しかし、オンラインでの決済データを活用することで、若く収入が限られる層にも後払いなどの柔軟なサービス提供が可能になっています。手が届かなかった商品を手に入れられる機会を創出する企業が、今まさにアジアで急成長を遂げているのです。
国家が主導する「デ・グローバリゼーション」の波
最近のトレンドとして注目すべきは、既存のグローバル資本に対抗する「純国産勢力」の台頭です。インドの「UPI決済」は月間10億回の取引を記録し、タイの「Prompt Pay」は人口の約60%が利用する巨大インフラへと成長しました。特筆すべきは、国が主導して加盟店の手数料を無料にするなど、既存のビジネスモデルを打ち破る「創造的破壊」を推進している点です。
SNS上では「日本のキャッシュレス化の遅れが不安になる」「アジアのスピード感こそが未来」といった驚きの声が広がっています。私個人としても、この変化は単なる技術革新ではなく、社会構造そのもののアップデートだと確信しています。日本が「中産階級」の幻想に捉われている間に、アジアはデータと若者のエネルギーで、金融の歴史を塗り替えようとしているのです。
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