日本のエネルギー業界を牽引する東京電力ホールディングスと中部電力。この二社がタッグを組んだJERAが、日本企業として記念すべき一歩をバングラデシュで踏み出しました。アジアの成長エンジンとして注目される同国の電力供給に、いよいよ日本の技術と知見が注ぎ込まれます。
首都ダッカ近郊で進むこのプロジェクトは、2022年の稼働を目指しています。注目すべきは、インドのエネルギー大手リライアンス・パワーと協力し、75万キロワットという現地の主要規模を誇る発電所を建設する点でしょう。最新の戦略が凝縮されたこの事業には、世界中から熱い視線が注がれています。
GEとの「長年の信頼」がもたらす圧倒的なコストメリット
今回の事業成功の鍵を握るのは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の設備活用です。JERAは、インドの発電所にあったGE製ガスタービンを最新状態へと更新して移設する手法を採用しました。これにより、建設費用を約2割も抑えられる見通しを立てているのです。
そもそも東電や中部電は、千葉県の富津火力発電所などで数十年にわたりGEと深い関係を築いてきました。富津は「GEのショーケース」と呼ばれるほど、常に世界最先端のガスタービンが導入される拠点です。この信頼の絆が、異国の地での大幅なコストダウンを可能にしました。
ここで言うガスタービンとは、燃料を燃やしたガスで巨大な羽根車を回し、電気を作る心臓部のことです。JERAはこの設備に関する深いノウハウを持っており、設計段階から開発に協力することもあります。こうした技術力こそが、海外展開における強力な武器となっているのです。
「丸投げ」からの脱却!自前主義で利益を最大化する戦略
バングラデシュの電力現場では、保守管理をメーカーに全て任せる「丸投げ」や、他国の電力会社への外注が一般的でした。しかし、JERAアジア社の久玉敏郎CEOは、ここに改革のメスを入れます。自らの判断で部品交換の時期を最適化し、自前で運営を行う方針を打ち出したのです。
さらにJERAは、2019年10月には地元の電力最大手サミット・パワー社に約360億円という巨額の出資を決めました。同社は国内シェアの12%を占める重要企業であり、この強固なネットワークを通じて、発電だけでなく燃料となるLNG(液化天然ガス)の販売まで視野に入れています。
SNS上では「日本のインフラ技術が世界を救う」「コスト削減のノウハウこそ最強の輸出商材だ」といった期待の声が数多く上がっています。2025年度に純利益2000億円を目指すJERAにとって、このバングラデシュでの挑戦は、まさに世界基準のビジネスモデルとなるでしょう。
筆者の視点から言えば、単なる設備提供に留まらず、運営の主導権を握る今回の姿勢こそ、日本企業が海外で勝ち抜くための正解だと確信しています。培った半世紀の重みが、バングラデシュの夜を明るく照らす日はもうすぐそこです。
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