環境問題への意識が世界中で急速に高まる中、スウェーデンの若き環境活動家であるグレタ・トゥンベリ氏の発言が大きな波紋を広げています。彼女が国際舞台で各国のリーダーたちへ放った鋭い批判は、地球温暖化対策の緊迫性を改めて浮き彫りにしました。この影響で、化石燃料に対する世間の風当たりはかつてないほどに強まっています。SNS上でも「彼女の行動力には胸を打たれる」「経済活動とのバランスをどう取るべきか」といった熱い議論が巻き起こり、トレンドを席巻している状況です。
特にやり玉に挙げられているのが、二酸化炭素の排出量が極めて多い石炭火力発電です。実は、日本の三大メガバンクが世界の石炭火力発電への融資残高でトップ3を占めているという、驚きの事実が明かされました。しかし、金融界もこの事態を静観しているわけではありません。三菱UFJ銀行の園潔会長によると、現在は「ESG」を重視した独自の指針を定めているそうです。これは環境・社会・企業統治に配慮した投資や経営を行う評価基準のことで、現在は原則として新規の融資をストップしています。
ただし、全ての融資が完全に断たれたわけではないようです。例外として、従来の仕組みよりもはるかに高温かつ高圧な蒸気を利用して発電する「超々臨界圧発電」という極めて高効率な技術については、案件ごとに慎重に見極めて判断が下されます。これからの時代は、環境への優しさとエネルギー供給の安定性をいかに両立させるかが、金融機関にも厳しく問われる時代になるでしょう。環境先進国としてのプライドを保つためにも、資金の流し方をドラスティックに変革していく姿勢は素晴らしいと感じます。
ものづくり産業の苦悩と、未来を切り拓く革新的な脱炭素テクノロジー
一方で、融資の制限に頭を抱えているのが日本の基幹産業を支えるものづくりの現場です。例えば製鉄のプロセスでは、鉄鉱石から酸素を取り除いて純度の高い鉄を生み出す「還元」という工程で石炭が絶対に欠かせません。神戸製鋼所の佐藤広士顧問は、この石炭が燃料ではなく材料の一部だとしても、大量の二酸化炭素を排出することへの批判は避けられないと吐露しています。そのため、工場の統合によって効率を高めながら、石炭に代わる新たな素材の開発を急いでいる最中なのです。
さらに危機感は他の一大産業へも伝染しています。「次は天然ガスが批判の標的になるかもしれない」と予測するのは、大阪ガスの松井毅副社長です。同社は先手を打つべく、排出された二酸化炭素を回収して有益な物質へと生まれ変わらせる技術の確立に奔走しています。また、日立造船の古川実相談役も、水素と二酸化炭素を化学反応させることで、都市ガスの主成分であるメタンを合成するクリーンな技術開発を進めており、各社が生き残りをかけて必死に知恵を絞っています。
こうした企業努力の裏で、意外なパラドックスも発生しています。岩谷産業の牧野明次会長は、各社が排出量を削りすぎた結果、皮肉にも工業用ガスとして利用するための二酸化炭素が不足しているという現状を明かしました。環境保護のブームが予想以上のスピードで進んだことで、皮肉な供給不足が起きているのです。環境への配慮は絶対に不可欠ですが、産業の足元が崩れては元も子もありません。経済を回しながら地球を守る絶妙な舵取りを、私たちは模索し続ける必要があります。
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