2020年2月4日、愛知県名古屋市内にて、経済界の要人たちが一堂に会する「東海地域経済懇談会」が開催されました。この会合は、日本経済を牽引する経団連と、製造業の集積地である中部経済界のトップ層が意見を交わす重要な場です。特に注目を集めたのは、長らく議論が停滞している「リニア中央新幹線」の建設に関する発言です。
会合後の記者会見にて、経団連の古賀信行審議員会議長は、リニア計画の現状に対して強い危機感を露わにしました。古賀氏は、この巨大プロジェクトが東京・名古屋・大阪という日本の心臓部を一体化させ、計り知れない経済波及効果をもたらすと確信しています。だからこそ、一日も早い関係者間の合意形成と、工事の加速を強く求めているのでしょう。
国家の未来か、環境への配慮か。立ちはだかる「静岡」の壁
リニア建設を巡る最大の懸念材料となっているのが、静岡県内での工事着手ができていない現状です。大成建設の山内隆司副会長は、この事態を座視できないと厳しい姿勢を見せました。彼らが言う「国家百年の大計」とは、目先の利益だけでなく、次世代を見据えたインフラ整備の重要性を指しています。大勢の経済人が、この国家的プロジェクトが立ち止まることに不安を感じているのです。
現在、静岡工区では、川勝平太知事が大井川の水量減少や、南アルプスの豊かな生態系への影響を懸念し、着工を認めない姿勢を貫いています。いわゆる「環境保護」と「インフラ開発」の衝突ですが、これこそが現代の公共事業が抱える最も難しい難問といえるでしょう。国土交通省も有識者会議の設置を決定し、解決に向けた道を探っています。
SNS上の意見を覗くと、「経済活性化のためにリニアは不可欠だ」という推進派の声だけでなく、「地元の環境や水資源を守る責任も重要」という慎重派の意見も根強くあります。利便性を追求する社会と、守られるべき地域環境。どちらも無視できないだけに、両者が納得できる科学的かつ誠実な対話が、今まさに求められているのではないでしょうか。
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