創業100周年のマツダに試練の時―業績悪化と新型肺炎の逆風をどう乗り越えるのか

2020年2月5日に発表された決算内容から、マツダが創業100周年という記念すべき年を、かつてない厳しい環境で迎えていることが浮き彫りとなりました。2019年4月から12月までの連結営業利益は前年同期比で43.3%減となる323億円に留まり、主戦場である中国や北米での販売台数も5%減少の110万6000台と苦戦を強いられています。世界的な自動車販売の低迷に加え、新世代技術への投資負担も重くのしかかっており、2020年3月期の通期販売台数計画を従来予想から5万台引き下げ、150万台とするに至りました。

このニュースに対し、SNS上では「マツダのクルマは大好きだからこそ、今の苦境はファンとして非常に辛い」「ブランド価値を高める努力をしている姿勢は伝わってくるので、何とか耐え抜いてほしい」といった、熱心なファンからの応援の声が多く見受けられます。一方で、「世界的な需要減に加え、予測困難な事態が重なる今の自動車産業は本当に難しい局面にある」と、業界全体の厳しい現状を冷静に分析する意見も目立ちます。

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二重の苦難―販売戦略の転換と新型肺炎の影

マツダはこれまで、販売台数を闇雲に追うのではなく、1台あたりの利益率を高める「販売の質」の向上を掲げてきました。これは、過度な販売奨励金(インセンティブ)を抑え、ブランド価値に基づいた適正な価格で販売する戦略です。しかし、2019年に満を持して投入した新世代商品群の第1弾「マツダ3」が、期待された米国市場で苦戦しています。さらに、次世代技術を搭載した「ラージ商品群」の投入時期も2022年度以降に延期されるなど、収益改善への道のりは平坦ではありません。

追い打ちをかけるのが、中国で拡大する新型コロナウイルス感染症の影響です。2020年2月6日現在、中国国内での生産は一時停止しており、現地生産拠点の稼働再開時期も見通せない深刻な状況です。もしこの事態が長引けば、中国から供給される部品の滞留を招き、日本国内を含む他拠点の生産ラインにも深刻な影響が及ぶリスクがあります。私見ですが、部品調達のグローバル化が進んだ現代において、特定地域の供給停止が即座に世界全体のリスクとなる構造は、メーカーにとって極めて難しい課題であると感じます。

危機を乗り越えてきた100年の歴史、次なる一手は

1月30日に創業100周年式典を終えたばかりのマツダにとって、今はまさに正念場といえるでしょう。歴史を振り返れば、マツダは幾度となく経営危機に直面し、そのたびに独自性の高い商品と技術力で不死鳥のように復活を遂げてきました。しかし、現在は米中貿易摩擦という国際的な経済リスクに加え、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった「CASE」という、自動車業界の枠組みを根底から変える大変革の時代を迎えています。

私が考えるに、単に魅力的なクルマを作るという商品力だけでなく、このような予測不能な外部環境の変化に対して、いかに迅速かつ柔軟に対応できるかという「危機対応能力」こそが、次の100年を生き残るための鍵になるはずです。過去の成功体験に縛られることなく、新たな時代に合わせて経営のあり方そのものを進化させることができるか。マツダの真の力が今、まさに試されています。

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