2020年01月06日、多くの企業が仕事始めを迎え、中国地方の経済界を牽引するトップたちが新年の決意を表明しました。本年は東京オリンピック・パラリンピックの開催に日本中が沸き立つ一方で、米中貿易摩擦などの国際的な緊張が影を落としています。先行きが不透明な現代において、市場の急激な変化へ柔軟に適応できるかどうかが企業の命運を分けるでしょう。SNS上でも「これからの時代は安定を待つのではなく、自ら変わる姿勢が必要だ」といった、経営者たちの覚悟に共感する声が多数上がっています。
自動車業界では、次世代の技術革新への対応が急務となっています。マツダの丸本明社長は、自動車業界の構造を根本から変える「CASE」の影響力が10年前とは比較にならないほど増大していると指摘しました。ちなみに「CASE」とは、ネット接続、自動運転、シェアリング、電動化という4つの最先端技術の頭文字を取った専門用語です。丸本社長は、まずは企業としての基礎的な収益力を高めることが最優先課題であると力説しています。不況に負けない強い基盤づくりこそが、今まさに求められているのです。
さらにマツダは、米中間の経済対立の影響で需要が低迷する中国市場について、2020年01月以降も厳しい局面が継続すると冷静に分析しています。しかし、ここで安易な価格競争に走らないのが同社のこだわりでしょう。「逆境の時こそ値引きに頼らず、クルマ本来の価値や魅力を丁寧に伝えていく」という毅然とした方針を打ち出しました。このブランド価値を重視する姿勢に対しては、ネット上でも「目先の数字を追わない姿勢に職人魂を感じる」と、多くのファンから熱い支持を集めています。
エネルギーや交通といった生活インフラを支える企業からは、信頼性の向上を誓う声が届いています。中国電力の苅田知英会長は、島根原子力発電所2号機の稼働に向けた審査に触れ、地域住民への丁寧な対話と説明を重ねる重要性を説きました。同時に、社員一人ひとりの真摯な行動が社会の安心に直結すると呼びかけています。また、両備グループの小嶋光信代表は、ヒューマンエラーによる事故防止を念頭に、すべての事業部門で安全と生産性の両面において超一流を目指すと熱く宣言しました。
人々の消費行動が激変する小売業界でも、従来のビジネスモデルからの脱却が叫ばれています。天満屋の江国成基社長は、消費者の関心が物質的な豊かさである「モノ」から、体験や思い出を重視する「コト」へと移り変わっている現状を分析しました。これからは、今までにない感動的なサービスを生み出すためのコミュニケーションが不可欠になるでしょう。物売りから体験の提供へのシフトは、現代のライフスタイルに合わせた必然の選択であり、私たち消費者の毎日をさらに豊かにしてくれそうです。
同じく流通大手のイズミを率いる山西泰明社長は、業務のIT化を進めるだけでなく、地域社会への貢献を通じた持続可能な社会の実現を目指すと語りました。「お客様に寄り添うのは当然であり、それだけでは企業としての社会的責任を十分に果たしたとは言えない」という高い視座の言葉には胸を打たれます。利益の追求だけでなく、環境や地域との共生を本気で考える姿勢こそが、これからの厳しい時代において生活者から選ばれ続ける企業の本質的な条件になるに違いありません。
金融業界は、長引く超低金利政策という苦境を乗り越えるため、大胆な組織の再構築へと舵を切っています。2020年10月に持株会社への移行を控える広島銀行の部谷俊雄頭取は、銀行中心の古い固定観念を捨て、グループ全体での意識改革を進める方針を示しました。中国銀行の加藤貞則頭取も、この大激変期を新しいビジネスを生み出す絶好のチャンスと捉え、行員に挑戦を促しています。ピンチをチャンスに変える前向きなマインドが、組織に新しい風を吹き込むはずです。
特に注目したいのは、山口フィナンシャルグループの吉村猛社長による、若者を抜擢する革新的な人事プランです。「地域の価値を高める新会社を今年中に複数立ち上げ、そのトップには20代から30代の若い世代を起用する」という大胆な構想を発表しました。また、山陰合同銀行の石丸文男頭取も、刷新されたシステム基盤を活用し、スピード感を持ったデジタル化と構造改革を進めると明言しています。デジタル技術と若い感性の融合は、地方経済を活性化させる強力な起爆剤になるでしょう。
今回の年頭所感を通じて、変化を恐れずに未来へ突き進むトップたちの強い意志を感じることができました。単に現状維持を目指すのではなく、最先端技術の導入や大胆な人事刷新に挑む姿勢は、ビジネスパーソンにとっても大いに刺激になるはずです。地方から日本を元気にするような、各社の新たな挑戦から今年も目が離せません。
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