中国地方の経済に逆風?2019年10月の鉱工業生産から見える自動車産業と消費の現在地

中国経済産業局が2019年12月12日に発表した最新のデータによると、中国地方5県における2019年10月の鉱工業生産指数は、前月と比較して2.0%低い99.1という結果になりました。この「鉱工業生産指数」とは、製造業や採掘業の活動状況を数値化したもので、地域の経済がどれだけ元気かを図るバロメーターとなります。今回の下落を受け、当局は景気の基調判断を3カ月ぶりに「弱含み」へと引き下げており、地域経済に漂う停滞感が浮き彫りとなりました。

SNS上では「地元の自動車産業が心配」「増税後の買い控えが影響しているのでは」といった不安の声が目立っています。実際に、今回の指数低下の大きな要因となったのは、地域経済の柱である自動車産業の苦戦です。マツダをはじめとする完成車メーカーが海外での販売台数を落とした影響が、そのまま部品メーカーの製造ラインにも波及しました。世界的な需要の冷え込みが、私たちの身近な工場の稼働にまで影を落としている現状は、決して楽観視できるものではないでしょう。

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自然災害と異常気象がもたらした二重苦の爪痕

生産活動の停滞は、世界情勢だけが原因ではありません。2019年10月に日本を襲った台風19号の影響により、他地域からの部品調達が困難になったことも響いています。特にショベルカーなどの建設機械を扱う「生産用機械工業」は、前月比7.7%減という厳しい落ち込みを記録しました。サプライチェーン、つまり製品が消費者に届くまでの供給網の脆さが、自然災害によって露呈した形です。改めて、災害に強い生産体制の構築が急務であると感じざるを得ません。

一方で、私たちの生活に密着した消費の現場でも異変が起きています。同月の百貨店やスーパーの販売額は、前年の同じ時期と比べて7.0%も減少しました。これには2019年10月からの消費増税の影響だけでなく、記録的な暖冬も関係しています。気温が高い日が続いたことで、本来売れるはずの秋冬物の衣料品が店頭で足踏みしてしまったのです。季節の移ろいに合わせたビジネスモデルが、近年の異常気象によって揺さぶられている様子が伺えます。

さらに驚くべきは、これまで好調だったドラッグストアの失速です。化粧品や医薬品の売り上げが落ち込み、実に4年7カ月ぶりにマイナスを記録しました。訪日客によるインバウンド需要や健康意識の高まりで右肩上がりだった業界だけに、この変化は衝撃的と言えるでしょう。渕上善弘局長も「先行きが見通せない」と危惧していますが、データを見る限り、単なる一時的な落ち込みではなく、構造的な変化が始まっている可能性を考慮すべき時期に来ています。

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