中国市場に明暗!ファナックは上方修正で復調の兆し、対照的な日立建機の苦境を分析

2020年1月29日、産業界の注目を集める2社の決算発表が行われました。工作機械大手のファナックは、2020年3月期の通期業績予想を上方修正しました。米中貿易摩擦の影響で長らく停滞していた中国企業の設備投資ですが、ここにきてようやく一服感が出ています。同社の主力である「数値制御(NC)装置」の販売が回復基調にある点は、製造業全体にとっても明るいニュースと言えるでしょう。

NC装置とは、機械の動きをデジタル数値で精密に制御する、いわば工作機械の「頭脳」にあたる重要な部品です。この製品が中国市場で再び動き出したことは、工場の自動化を担うファクトリーオートメーション(FA)事業が底を打った証拠でもあります。山口賢治社長兼CEOも「在庫調整が進み、事業は戻りつつある」と手応えを語りました。前期比では減益という厳しい現実があるものの、度重なる下方修正を経て、ようやく希望の光が見えた瞬間でした。

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分かれる運命、日立建機の苦戦と5Gへの期待

一方で、同じ日に決算を公表した日立建機は厳しい状況が浮き彫りとなりました。2019年4月から12月までの純利益は前年同期比で3割もの大幅減益となっています。特に中国市場における苦戦は深刻で、現地メーカーの安値攻勢に押され、5四半期連続で前年実績を割り込む結果となりました。製造業の現場において、技術力だけでなく価格競争が激化する中で、市場シェアを維持することの難しさを改めて痛感させられます。

投資家の間でもこの明暗には注目が集まっており、SNS上では「ファナックの復活は日本の製造業の底力を見せつけた」「対照的に日立建機は中国の現地勢力に押されていて心配だ」といった声が散見されます。一方で、「新型肺炎の影響がどこまで広がるのか読めない」という不安も共通しており、市場の期待と警戒が複雑に入り混じっている状況です。

不可欠な視点:新型肺炎と供給網の行方

今後の懸念材料は、中国国内で拡大する新型コロナウイルスによる肺炎の問題です。本来であれば、春節(旧正月)休暇明けは建機やFA機器の需要が盛り上がる時期ですが、今年は政府による休暇延長や企業の休業措置が重なっています。これは単なる販売機会の損失にとどまらず、自動車産業などを中心としたグローバルなサプライチェーン、つまり部品供給から製品完成に至る一連のネットワークに甚大な影響を及ぼしかねません。

私個人としては、ファナックが言及した「5G(第5世代移動通信システム)」関連の需要拡大に注目しています。通信環境の高速化は工場のスマート化をさらに加速させるからです。しかし、現時点では感染拡大という予測不可能なリスクが経済活動を大きく左右するでしょう。企業がどれほど戦略を練っても、マクロな環境変化には抗えない側面があります。投資家やビジネスパーソンは、今後の動向を冷静に見極める必要があります。

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