日本を代表する工作機械メーカーであり、圧倒的な収益力を誇ってきたファナックが、今まさに大きな転換点を迎えています。2019年10月10日現在、同社の稼ぎ頭である数値制御(NC)装置事業が、かつてない苦境に立たされているのです。NC装置とは、工作機械の「頭脳」にあたる非常に重要な制御用コンピューターを指し、長年同社はこの分野で世界シェアの約5割を独占してきました。
これまで圧倒的なブランド力で高利益を維持してきましたが、製造現場に「IoT」の波が押し寄せたことで潮目が変わりつつあります。IoTとは、あらゆるモノをインターネットに接続して情報を共有する技術のことで、工場の自動化において欠かせない概念です。この新技術の普及により、従来の閉鎖的な自社専用システムだけでは、多様化する顧客ニーズに対応しきれなくなっているのが現状と言えるでしょう。
SNS上では、この状況を危惧する投資家から「絶対王者のファナックですら時代の変化に苦戦するのか」といった驚きの声が上がっています。また、現場のエンジニアからは「ハードウェアの性能だけでなく、ソフトウェアの柔軟性が求められる時代になった」という指摘も散見されました。こうした外部環境の激変を受け、同社の株価や今後の成長戦略には、業界全体から熱い視線が注がれています。
富士通との連携が鍵を握る?新たな収益源を模索するファナックの覚悟
現状を打破するため、ファナックは自社の殻を破り、富士通などの外部パートナーと協力した新サービスの構築に心血を注いでいます。これは、ハードウェアの販売に依存していた従来のビジネスモデルから、データ利活用を中心としたプラットフォーム型ビジネスへの転換を目指すものです。既存の成功体験を捨ててでも新しい領域へ踏み出そうとする姿勢には、老舗企業としての強い危機感が滲み出ています。
編集者としての私見ですが、ファナックの苦戦は決して技術力の低下ではなく、市場の「ルール変更」によるものだと分析しています。どんなに優れたハードウェアでも、孤立した状態では価値が半減してしまうのが現代の製造業です。他社との協調領域を広げつつ、いかに自社独自の強みをデジタル空間で再現できるかが、令和の時代に再び「黄金期」を築けるかどうかの分かれ道になるでしょう。
2019年10月10日時点での動向を鑑みると、同社が模索している新事業が実を結ぶまでには、まだ相応の時間を要するかもしれません。しかし、世界トップシェアを維持してきた基盤があるからこそ、そのポテンシャルは依然として計り知れないものがあります。次世代の収益源を確保し、再び日本の製造業を牽引する存在へと返り咲くのか、同社の果敢な挑戦から目が離せません。
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