神奈川県逗子市で発生した市道脇の斜面崩落は、通行中だった18歳の女子高校生が命を落とすという、あまりにも痛ましく悲しい事故へと発展してしまいました。尊い若者の未来が突然奪われたこの事態に、日本中が深い悲しみに包まれています。SNS上でも「毎日の通学路でこんなことが起きるなんて怖すぎる」「防ぐ手立てはなかったのか」といった、不安と憤りの声が数多く噴出している状況です。誰もが日常的に利用する道路だからこそ、今回の事故は決して他人事ではないという危機感が急速に広がっています。
事態を重く見た国土交通省は、2020年2月7日に土砂災害研究室長と研究官の専門家2名を現地に派遣し、詳細な調査を行うことを決定しました。崩落した斜面のメカニズムを解明し、逗子市へ報告する方針です。今回の現場は、神奈川県が「土砂災害警戒区域(急傾斜地)」に指定していた場所でした。これは傾斜度が30度以上あり、住民の生命に危険が及ぶ恐れがある区域を指す専門用語です。私たちは、こうした危険な場所が身近に存在しているという事実を、今一度強く認識しなければなりません。
神奈川県の黒岩祐治知事は2020年2月6日、記者団に対して「痛ましい事故を繰り返さないよう、安心の確保に全力を尽くす」と表明しました。県内にある約8700カ所の警戒区域のうち、まずは県が管理する道路に隣接した斜面を2020年2月中に職員が目視で緊急点検する計画です。行政がスピード感を持って安全確認に動く姿勢は評価できますが、点検箇所がまだ未定である点には不安が残ります。一刻も早く具体的な規模を確定させ、確実な調査を進めてほしいと切に願います。
不思議なことに、逗子市に近い三浦市の観測データでは、2020年1月30日以降は雨が一切降っていませんでした。大雨でなくても斜面が崩れる背景には、風雨や太陽光によって岩石がボロボロになる「風化」という現象が関係していると専門家は指摘します。目に見えない場所で土砂のもろ化が進む恐怖に対抗するには、雨が降っていないから大丈夫という思い込みを捨てるべきです。行政任せにするだけでなく、私たち自身も日頃から周囲の地形に目を光らせる意識改革が必要でしょう。
さらに、今回の事故現場は分譲マンションの敷地内であり、その所有権は住人たちが組織する管理組合にあります。民有地の安全管理をどこまで所有者が担うべきなのか、そして行政はどのように関与すべきだったのかという、維持管理の難しさが浮き彫りになりました。プライベートな土地とはいえ、公共の道路に面している以上は連鎖的な危険が伴います。法的な責任論だけに終始せず、悲劇を未然に防ぐための画期的なセーフティネットの構築を、国と自治体が一体となって進めることを期待します。
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