北大西洋条約機構、通称NATO(ナトー)は2020年2月12日、国防相理事会を開催し、イラクにおける訓練任務を拡大する方針で合意へと至りました。この決定は、1月に発生した米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害事件を受けて一時的に停止されていた活動を、再び動かすものです。中東地域への積極的な関与を強硬に迫っていたアメリカのトランプ大統領による要求に、欧州を中心とした同盟国側が歩み寄って応じた形となりました。
ストルテンベルグ事務総長は記者会見において「可能な限り早期に再開したい」との強い意向を表明しています。具体的な再開のタイミングや組織の規模については明言を避けたものの、当面はアメリカ主導の有志連合が担ってきたイラク軍への強化任務を引き継ぐ見通しです。SNS上では「中東の平和維持には多国籍の連携が不可欠だ」という期待の声がある一方で、「また緊張が高まるのではないか」と懸念を抱くユーザーの投稿も目立っています。
そもそもNATOとは、北米とヨーロッパの国々が結んだ軍事同盟であり、共通の防衛を目的に掲げています。今回の任務拡大の意義について事務総長は、かつて世界を震撼させた過激派組織「イスラム国」(IS)がイラクへ絶対に復権しないように抑え込むためだと力説しました。SNSではこの大義名分に対し、過激派の再台頭を阻止する重要性を叫ぶ意見が数多く飛び交っており、世界中からの注目度が非常に高いことが伺えるでしょう。
今回の背景には、トランプ大統領が2020年1月に示した「中東の原油への依存度が低下したため、アメリカの関与を減らしていく」という方針転換が存在します。代わりに、地政学的に中東と距離が近いヨーロッパ諸国に対して、より大きな貢献を果たすべきだと主張したのです。世界の警察官としての役割を縮小させたいアメリカと、近隣地域の不安定化を阻止したい欧州の思惑が交錯する中で、今回の合意が導き出されました。
私は、この決定が国際社会における防衛のあり方に一石を投じるものだと考えています。特定の超大国だけに頼る時代は終わりを告げ、地域全体の安全を維持するためには加盟国が痛みを分け合う姿勢が求められているのでしょう。なお、この国防相理事会は2020年2月13日に対ロシアのミサイル防衛体制などの重要項目について深い議論を交わした後に閉幕する予定であり、今後の動向から目が離せません。
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