インターネットの海が新たな戦場へと姿を変える中、日本の安全保障が大きな転換点を迎えました。防衛省と自衛隊は2019年12月02日、北大西洋条約機構(NATO)が主催する世界最大級のサイバー演習「サイバー・コアリション2019」に、初めて正式なメンバーとして参加したのです。これまでは見学的な立ち位置である「オブザーバー」に留まっていましたが、ついに実戦さながらの国際連携へと踏み出しました。
今回の演習には、アメリカを含むNATO加盟国を中心に30以上の国と地域が結集しています。SNS上でも「ついに日本がNATOの枠組みで本領発揮か」「ネット上の国防がようやく本格化する」といった期待の声が相次いでおり、サイバー防衛に対する国民の関心の高さが伺えます。エストニアに設置されたコントロールセンターを拠点とし、2019年12月02日から2019年12月06日までの5日間にわたり、緊密な訓練が繰り広げられます。
巧妙化する中国・ロシアの脅威!「ハイブリッド戦」に打ち勝つ連携
なぜ今、これほど大規模な演習が必要なのでしょうか。その背景には、サイバー空間で急速に台頭する中国やロシアの存在があります。特にロシアは、軍事力とサイバー攻撃を組み合わせる「ハイブリッド戦」を得意としており、過去には他国の選挙介入やインフラ破壊を仕掛けたとされています。しかし、最近では欧米諸国の間で「中国の能力はすでにロシアを凌駕しているのではないか」という危機感が急速に強まっているのです。
中国は2015年頃からサイバー専門部隊を組織し、数多のハッカー集団が世界中のサーバーを標的にしていると目されています。ここでいう「ハイブリッド戦」とは、物理的な兵器による戦闘だけでなく、SNSでの世論工作や重要インフラへのハッキングを同時に行う現代型の戦争形態を指します。こうした見えない敵に対抗するため、日米欧の民主主義国家が手を取り合い、強固な防衛網を築くことが急務となっているのです。
日本国内からは、東京・市谷にある防衛省の拠点から「サイバー防衛隊」の精鋭ら約20名がオンラインで参戦しました。彼らは専用プログラムを駆使し、政府のネットワークへの侵入や国際紛争に端を発する攻撃など、刻々と変化するシナリオに対応します。言葉の壁や国際ルールの違いといった課題はありますが、最前線の情報をリアルタイムで共有できるメリットは、日本の防衛力を飛躍的に向上させるはずです。
日本のサイバー防衛は「穴」にならないか?編集者の視点
正直なところ、日本のサイバー防衛体制は欧米諸国と比較して「遅れている」と言わざるを得ません。もし日本が攻撃の突破口となってしまえば、同盟国であるアメリカや欧州にまで被害が拡大する恐れがあります。これは、地政学的にも経済的にも中国に近い日本が、自由主義陣営の「防衛網の穴」になってはいけないという強い警告でもあります。今回の正式参加は、その穴を塞ぐための大きな一歩と言えるでしょう。
2019年04月には、日米安全保障条約による防衛義務がサイバー空間にも適用されることが確認されました。つまり、ネット上の攻撃が「戦争」とみなされる時代になったのです。日本が掲げる「集団的自衛権の行使」の議論も、今や物理的な国境を越え、デジタルの領域へと広がっています。私たちは、キーボード一つで国家の機能が麻痺しかねない現実を直視し、この演習で得られる知見を日本の盾として昇華させるべきです。
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