🤝新在留資格「特定技能」は悪質業者を排除できるか?ワタミなどが東南アジアで進める外国人材“青田買い”の期待と課題

日本国内で深刻化する人手不足を背景に、外国人材の受け入れを拡大する新たな在留資格「特定技能」制度が、2019年4月にスタートしました。しかし、この新制度の滑り出しに際して、過去の「技能実習制度」で頻発した問題の再発を防げるのか、大きな関心が集まっています。技能実習制度では、2018年10月末時点で約31万人もの実習生が日本で働いていましたが、その裏側では、現地での高額な金銭要求や、来日後の劣悪な労働環境といったトラブルが後を絶たなかったのです。

こうした反省を踏まえ、日本政府は特定技能制度において、外国人を送り出す国(送出国)と「二国間協力覚書(MOC)」を交わすことで、悪質な仲介業者を排除し、問題発生時の解決を図る狙いがあります。2019年5月末の時点で、フィリピンやカンボジアを含む5カ国とすでに締結されており、ベトナムや中国など4カ国とも現在、交渉を進めている状況です。このMOCによって、企業側も外国人本人も、より安心できる枠組みが整備されるのではないかという期待が高まっています。

また、日本国内の企業側も、外国人材の確保に向けて動きを活発化させています。外食大手のワタミは、将来的に中核を担う人材を確保するため、海外に育成拠点を設け、いわゆる「青田買い」を進めていると言います。特定技能制度は、即戦力となる専門知識や技能を持つ外国人を対象としているため、日本企業が現地で日本語教育や職業訓練を行い、育成段階から優秀な人材を囲い込もうとする動きは、今後さらに加速していくでしょう。これは、日本企業がアジアの優秀な労働力に対して、初期段階から積極的に投資する、前向きな姿勢の表れだと私は考えます。

しかし、この二国間協力覚書(MOC)の実効性については、懸念の声も上がっています。覚書の内容は国によって異なっており、特にカンボジアとモンゴルからは、技能実習制度で利用されていた「送り出し機関」と呼ばれる国の認定機関を通すことが、人材送出しの条件とされました。この送り出し機関は、外国人を日本へ派遣する際に仲介役となる組織で、これが再び関与することで、企業や外国人が、技能実習と同程度の高い費用を機関に支払うことになってしまう可能性が指摘されています。ある企業幹部は、「悪質な機関を本当に排除できるのか」と、MOCの法的な拘束力がない点を危惧しているようです。

さらに、最大の外国人材の出身国であるベトナムとの交渉では、送り出し機関の認定を巡る調整が難航している模様です。ベトナムは日本語人材が非常に多いため、日本の企業からの関心も極めて高く、この交渉の行方は、特定技能制度の成否を握る重要な鍵となっています。SNS上でも、「実習生の高額な借金問題は、結局送り出し機関のせいだった。MOCで本当に変わるのか」「企業が現地で直接採用・教育できるようになるのが一番良い」といった、制度への期待と、過去のトラブルに対する不安が入り混じった意見が多く見受けられました。特定技能が真に魅力的な制度となるには、いかにして外国人を食い物にする悪徳な仲介業者の介入を断ち切れるかにかかっている、と言えるでしょう。

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