2019年07月10日に発表された「第47回日本の専門店調査」の結果は、アパレル業界に衝撃を与えました。今回の調査によれば、専門店の全体売上高は前回の1.3%増から一転し、0.2%のマイナス成長を記録しています。比較可能な14社のうち、実に5社が減収に陥るという厳しい状況が浮き彫りになりました。長引く猛暑や不安定な悪天候が、消費者の足取りを重くさせたことが主な要因と考えられます。
特に苦戦を強いられているのが、ビジネスマンの味方である紳士服大手各社です。業界を牽引する青山商事は2.3%の減収となり、続くAOKIホールディングスも3.4%減と振るわない数字が並びました。SNS上では「これだけ暑いとスーツを着て外に出るだけで苦痛」「ネクタイを締める気が起きない」といった悲鳴に近い声が溢れています。夏のビジネススタイルが劇的に変化する中で、従来のスーツ販売が岐路に立たされていると言えるでしょう。
こうした逆風が吹き荒れる中、驚異的な躍進を遂げているのが「ワークマン」です。同社の売上高は19.4%増という圧倒的な数字を叩き出しており、もはや独走状態といっても過言ではありません。作業服で培った高い耐久性と低価格を武器に、アウトドア向けブランドを展開したことが大きな成功を収めました。機能性とファッション性を両立させた戦略は、若者や女性層からも「コスパ最強」として絶大な支持を集めています。
働き方の変化と紳士服ブランドが仕掛ける生き残り戦略
売上減少の背景には、気候の変化だけでなく「クールビズ」の定着も深く関係しています。特にIT業界を中心として、職場でもスーツを着用しないスタイルが当たり前になりました。これにより、一式揃える必要があったビジネスウェアへの支出が抑えられる傾向にあります。時代の潮流は、もはや「型にはまったフォーマル」から「快適で自由なビジネスウェア」へと、確実にシフトしているのではないでしょうか。
生き残りを懸ける各社は、ただ指をくわえて見ているわけではありません。例えば、一人ひとりの体型にフィットさせる「オーダースーツ」の強化や、自宅で洗えるといった「機能性衣料」の開発に力を注いでいます。消費者が求める価値が「所有」から「体験や機能」へと変わる中で、いかに個別のニーズに応えられるかが勝負の分かれ目となります。私自身の視点としても、このパーソナライズ化の流れは今後さらに加速すると予想しています。
かつては「サラリーマンの戦闘服」と呼ばれたスーツですが、現在はその定義そのものが再構築されている最中だと言えるでしょう。2019年07月10日時点のデータが示す通り、従来のビジネスモデルだけでは通用しない時代が到来しています。各ブランドがどのようなクリエイティビティを発揮し、私たちの日常を彩ってくれるのか、その進化から目が離せません。編集部としても、この激動の業界動向を今後も注視していきたいと考えています。
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