JR九州が2018年度の輸送密度を公表!14路線33区間で「維持の境界線」を下回る厳しい現状と地域の未来

2019年07月12日、JR九州は昨年度の全22路線76区間における平均通過人員、いわゆる「輸送密度」のデータを明らかにしました。この輸送密度とは、鉄道の利用状況を測るための重要なバロメーターであり、1日1キロメートルあたりに平均して何人の乗客が運ばれたかを示す指標です。今回発表された数値からは、九州の鉄路が直面している極めて深刻な現実が、改めて浮き彫りになったといえるでしょう。

驚くべきことに、全区間のうち約4割にあたる14路線33区間が、かつての国鉄分割民営化の際に「鉄道からバスへの転換」を検討すべき基準とされた4,000人を下回る結果となりました。SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散され、「地元の足がなくなるのは困る」「いつか廃線になるのではないか」といった、将来への不安や戸惑いの声が数多く寄せられています。地域の日常を支えるインフラが、今まさに岐路に立たされているのです。

特に注視すべきは、日豊本線や肥薩線といった馴染み深い路線を含む、7路線12区間において輸送密度が1,000人を割り込んでいる点です。これは鉄道というシステムを効率的に維持することが非常に困難なレベルであり、抜本的な対策が急務であることを物語っています。また、2017年07月の豪雨による甚大な被害を受け、現在も一部区間で復旧に向けた協議が継続している日田彦山線については、不通区間を除いても前年度比2%減の2,471人にとどまりました。

JR九州側は、これらの数値公表について「即座に路線の存廃を議論するためのものではない」と説明し、慎重な姿勢を崩していません。しかし、少子高齢化や過疎化が加速する中で、現行のネットワークをそのまま守り抜くことは容易ではないはずです。鉄道会社だけの努力では限界があり、沿線自治体やそこに暮らす私たちが、どのような未来の交通網を望むのか、真剣に向き合うタイミングが来ているのだと感じてやみません。

さらに青柳俊彦社長は、今年度中に路線別の収支についても公表する方針を打ち出しており、より踏み込んだ議論が展開されることが予想されます。収支が透明化されることで、地域の交通を維持するためにどれほどのコストがかかっているのか、より具体的な共通認識が生まれるでしょう。ただの移動手段としてだけでなく、地域の宝として鉄路をどう活用していくのか、今こそクリエイティブな発想が求められています。

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