世界を揺るがす米中対立の火種は、ついに企業の生産ネットワークそのものを根底から変えようとしています。2019年07月18日現在の報告によれば、世界の主要企業50社以上が、中国国内に構えていた生産拠点を国外へ移す検討を始めていることが明らかになりました。この動きは一時的な避難ではなく、関税合戦によるコスト増を回避するための長期的な戦略変更と言えるでしょう。
こうした状況を背景に、SNS上では「ついにチャイナリスクが現実味を帯びてきた」「iPhoneの価格が上がるのではないか」といった不安の声が数多く投稿されています。一方で、「これを機にベトナムやタイが新たな世界の工場になるかもしれない」と、東南アジア諸国への経済シフトに注目する冷静な意見も目立ち、投資家や消費者の間でも緊張感が漂っているのが現状です。
とりわけ厳しい立場に置かれているのが、これまで外資を呼び込むことで驚異的な経済成長を遂げてきた中国政府に他なりません。事態を重く見た当局は、2019年06月末、石油や天然ガスといったエネルギー分野を含む合計7つの領域において、外国資本に対する制限を大幅に緩和するという異例の発表を行いました。これは、去りゆく外資を何としてでも繋ぎ止めたいという必死の表れです。
規制緩和は救世主となるか?金融開放の前倒しが示す中国の本音
中国政府が打ち出した緩和策は、単なるルール変更に留まらず、金融分野での出資規制撤廃を予定よりも早めるという踏み込んだ内容を含んでいます。ここで言う「出資規制の緩和」とは、外国の企業が中国の銀行や証券会社に対して、これまでよりも高い比率で出資を認めたり、100%独資で経営できたりするように制度を整えることを指しています。
専門的な視点で解説しますと、この施策は「ネガティブリスト」の削減と呼ばれ、本来は数年かけて慎重に進めるはずだった市場開放を無理やり急ピッチで進めている格好です。米中協議の先行きが依然として不透明な霧の中に包まれているため、中国としては自国の景気が冷え込むのを防ぐため、外資という名の「カンフル剤」をどうしても注入し続けなければならないのでしょう。
編集部としての見解を述べさせていただくと、今回の強引とも言える開放策は、中国が抱える焦燥感の裏返しではないかと感じて止みません。自由貿易の恩恵を最も受けてきたはずの両大国が対立を深めることは、結果として世界中のサプライチェーンを分断し、最終的には私たち消費者の不利益に繋がります。今こそ政治的なメンツではなく、経済の安定を最優先した建設的な対話が望まれる時期です。
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