【2019年6月】ホトトギスの声と日ロ関係の行方|G20大阪サミット直前、北方領土交渉の現在地とSNSの反応

夏の訪れを告げる鳥として古くから親しまれているホトトギス。皆さんは今年、もうその声を耳にされましたか?「テッペンカケタカ」と聞きなされるその甲高い鳴き声は、かつては身近なものでしたが、最近では少し山深い場所へ行かなければ聞くことが難しくなってしまったようです。未明や早朝の静寂(しじま)に響くその声は、どこか切なさを帯び、過ぎ去る歳月の早さや叶わぬ思いを呼び覚ますものとして、多くの和歌や俳句に詠まれてきました。

「山で鳴くおまえ、心あるなら物思いにふける私に声を聞かせないで」。そんな古人の歌に残された心情は、現代の私たちにも通じるものがあるかもしれません。さて、このホトトギスが鳴く6月という季節、半年前の時点では日本外交にとって非常に重要な「収穫の時期」になるはずだと期待されていました。そう、2019年6月末に開催されるG20大阪サミットに合わせて来日する、ロシアのプーチン大統領と安倍晋三首相による首脳会談のことです。

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高まった期待と立ちはだかる「原則論」の壁

振り返れば昨年末から年初にかけて、「日ロ関係はかなり前進しているはずだ」という楽観的な見方が広がっていました。首脳同士の個人的な信頼関係をベースに、平和条約締結や北方領土問題が新たな局面に入るのではないか――そんな高揚感さえ漂っていたのを覚えています。交渉が進展すれば、その勢いに乗って衆参同日選挙があるのではないか、などという噂もささやかれていましたね。

しかし、2019年6月6日現在、蓋を開けてみれば状況は芳しくありません。この半年間の外交交渉では、「先の大戦の結果を受け入れよ」とするロシア側の強硬な原則論の壁を崩すことができず、具体的な進展が見られないまま時間が過ぎ去ってしまいました。期待が大きかっただけに、現在の停滞感には焦りを感じざるを得ません。

国会議員の不適切発言とSNSでの反響

さらに事態を複雑にしたのが、先月5月に国後島を訪問した国会議員による驚くべき言動です。北方領土問題について「戦争で取り返すしかない」といった趣旨の発言をしたことは、皆さんの記憶にも新しいでしょう。この発言は瞬く間にニュースとなり、SNS上でも大きな波紋を呼びました。「外交努力を台無しにする行為だ」「国益を損なう」「元島民の気持ちを踏みにじっている」といった批判の声が殺到し、炎上状態となったのです。

私自身、一人のメディア編集者として、また一国民として、このニュースには耳を疑いました。積み重ねてきた外交の歩みを、不用意な一言で後ろに引き戻すような事態だけは避けなければなりません。SNS上でも「呆れてものが言えない」「議員としての資質を問う」といった厳しい意見が大半を占めており、国民の失望感が浮き彫りになっています。

ホトトギスを詠んだ句に、山田弘子氏の「還(かえ)らざるもの呼びつづけ時鳥(ほととぎす)」というものがあります。赤い口を見せて一途に鳴く鳥の姿に、戻らぬものを追い求める切なさを重ねた句ですが、今の北方領土交渉がまさに「還らざるもの」になってしまわないよう祈るばかりです。G20大阪サミットでは、元島民の方々を少しでも安堵させるような、友好に資する成果が出ることを強く待ち望んでいます。

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