電池や電子部品の製造で知られるFDKが、2019年7月23日に発表した2019年4月〜6月期の連結決算は、多くの投資家や業界関係者に驚きを与えました。最終損益が11億円の赤字となり、前年同期の8300万円の黒字から一転して厳しい数字が並んだのです。この最終赤字は2年ぶりのことで、同社の現在の立ち位置を象徴する結果となりました。
今回の赤字の大きな要因は、電子部品事業の一部を同業他社へ譲渡したことに伴う構造改革です。この決定により、帳簿上の資産価値を減額させる「特別損失」を7億円強も計上しました。特別損失とは、火災や事業譲渡など、通常の営業活動以外で発生した一時的かつ巨額な損失を指します。SNSでは「将来への種まきか、それとも苦肉の策か」といった議論が交わされています。
売上減少と主力製品の苦戦が浮き彫りに
売上高に目を向けると、前年同期比で6%減少の164億円にとどまりました。本業の儲けを示す営業損益も2億900万円の赤字を記録し、前年同期の1億2300万円の赤字からさらに幅が広がっています。特にサーバー用や液晶パネル向けの電子部品の需要が伸び悩んだことが、収益を大きく圧迫する形となりました。市場の冷え込みが予想以上に強かったと推察されます。
注目すべきは、今回の赤字が会社側にとって「想定内」であるという点です。2019年4月〜6月期の大きな特別損失はあらかじめ計画に織り込まれており、2020年3月期の通期予想である7億円の赤字という見通しは変更されていません。赤字を出し切ることで事業をスリム化し、不採算部門を切り離して再起を図るという、経営陣の強い覚悟が感じられる決断と言えるでしょう。
編集者の視点から見れば、今回のFDKの決断は、痛みを伴う「選択と集中」のプロセスに他なりません。サーバー需要の停滞という逆風の中で、損失を早期に計上して体質改善を急ぐ姿勢は、中長期的な安定を目指す上で避けられない道だったはずです。ネット上でも「次の一手でどう巻き返すのか」に注目が集まっており、今後の電池事業の強化などが再建の鍵を握るでしょう。
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