2019年07月30日のアメリカ株式市場において、世界的な製薬最大手であるファイザーの株価が急落し、投資家の間で大きな波紋を広げています。前日の2019年07月29日に発表された、特許が切れた医薬品を扱う事業部門を分社化し、後発薬(ジェネリック医薬品)大手のマイランと統合させるという大胆な戦略が、市場には「収益力の減退」というネガティブなメッセージとして受け取られたようです。
SNS上では「ファイザーのような巨人がここまで大きな構造改革に踏み切るとは驚きだ」といった声や、「今後の配当維持に影響が出るのではないか」という不安の声が目立っています。この「特許切れ医薬品」とは、開発企業が独占的に販売できる期間を終えた薬のことで、安価なジェネリック医薬品が台頭するため、メーカーにとっては利益率を維持するのが非常に難しい分野として知られています。
業績下振れへの懸念と後発薬市場の厳しい現実
あわせて発表された2019年04月から06月期の四半期決算も、売上高が市場の予測に届かず、先行きの不透明感を強める結果となりました。特にアメリカ国内では、医療費抑制の動きからジェネリック医薬品に対する値下げ圧力がかつてないほど強まっており、事業環境は極めて過酷です。こうした背景から、稼ぎ頭だった部門を切り離す判断は、将来的な成長を疑問視させる一因となってしまったのでしょう。
筆者の視点としては、今回のファイザーの決断は、痛みを伴う「選択と集中」の現れであると感じます。確かに短期的には収益規模が縮小して見えるかもしれませんが、バイオ医薬品などの高付加価値な新薬開発にリソースを集中させるためには、避けて通れない道だったのではないでしょうか。市場が一時的に動揺するのは理解できますが、このスリム化が次世代の画期的な新薬を生む布石となるか、その真価が問われるのはまさにこれからです。
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