【2023年予測】働き方改革で国内プリント市場が1割減!生き残りのカギはIT・電子化へのシフト

調査会社であるIDCジャパンが2019年6月6日に発表した予測によると、日本のオフィスや家庭におけるプリント関連市場の支出総額は、2023年には大きく減少する見通しです。2018年には1兆8,621億円だった支出額は、前年比2.5%の減少を記録しており、これがさらに進んで2023年には1兆6,893億円となり、2018年と比較して約1割も低い水準に落ち着くことが見込まれています。この数字は、私たちが当たり前に使ってきた紙の文化が、デジタル化の波によって急速に変化していることを明確に示していると言えるでしょう。

この減少の要因を詳しく見ていきますと、プリント関連市場の支出内訳の約6割を占める、ページ単価契約に基づく費用やインク、トナーなどの消耗品の購入にかかる支出の減少幅が特に大きいとの分析です。これは、大企業を中心に推進されている働き方改革や、ペーパーレス化を促す業務の電子化が、本格的に浸透し始めた影響が色濃く出ています。一方、全体の約4割を占めるプリンターや複合機といったハードウェアの購入と保守にかかる支出は、古い機種を新しいものに買い替える交換需要があるため、減少幅は比較的小さいと予測されています。

このような市場の変化に対して、SNSでは「環境に優しくなるのは良いことだけど、紙の資料がないと不安になる」「電子化は進むけど、すべてがペーパーレスになるわけではないだろう」といった賛否両論の反響が見受けられます。長年紙文化に慣れ親しんだユーザーからは、デジタルへの完全移行に対する戸惑いや、業務プロセスによっては紙媒体の必要性を指摘する声も少なくありません。しかし、業務効率化やコスト削減といったメリットを考えれば、この電子化の流れは不可逆的なものであり、企業が生き残るためには対応が不可欠だというのが私の見解です。

興味深いのは、ハードウェアやページ単価契約にかかる顧客企業の支出が減る一方で、プリント関連ビジネス全体の中では成長を続ける分野もあるということです。具体的には、ファイルの共有を可能にするソフトウェアや、文書管理の業務を外部に委託するアウトソーシングの分野などが、年平均で0.8%の成長を続けると予測されています。これは、単に紙を減らすだけでなく、文書の取り扱い全体を効率化する**IT(情報技術)**ソリューションへの需要が高まっていることを意味しています。

プリント市場でビジネスを展開する各販売会社は、この市場縮小の波を乗り越えるため、従来の機器販売や消耗品提供といったビジネスモデルから、文書管理や情報共有を支援するIT関連サービスへと、軸足を移す必要に迫られているでしょう。電子化の進展は、プリントサービスを提供する企業にとって大きな試練ですが、同時に新たなサービスを提供するチャンスでもあるのです。文書を「印刷するもの」として捉えるのではなく、「情報」として扱い、管理・共有をサポートする視点を持つことが、今後の成長のカギとなるに違いありません。

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