2019年07月21日の参議院議員通常選挙が幕を閉じ、騒がしかった街並みにもようやく穏やかな日常が戻ってきました。議席を勝ち取った候補者や惜しくも涙を飲んだ陣営など、それぞれの明暗が分かれたドラマもようやく落ち着きを見せている時期ではないでしょうか。当選を果たした方々には、自分とは異なる意見にも真摯に向き合う謙虚な姿勢を持ち続けてほしいと願わずにはいられません。
一方で、再起を期す方々には、単なる批判や揚げ足取りに終始するのではなく、未来を見据えた建設的な政策論争を繰り広げていただくことを期待したいものです。SNS上でも「選挙後の静けさが寂しい」という声がある反面、「これからが政治家の真価を問われる時だ」といった厳しい監視の目が向けられています。主権者である私たちも、投票が終わったからといって関心を失わず、彼らの活動を注視していく必要があるでしょう。
さて、作家として活躍する幸田真音さんは、20代の初めに意外な形で選挙に携わった経験をお持ちだといいます。どうしても断りきれない知人との縁から、地方選挙の「ウグイス嬢」を務めることになったのです。ウグイス嬢とは、選挙カーから候補者の名前や政策を連呼し、支持を訴える女性スタッフを指す専門用語です。2019年07月31日の回想によれば、真夏の炎天下で汗を流しながらマイクを握った記憶は、今も鮮明に残っているそうです。
投票用紙に「×」を書き込む?現代の選挙制度に一石を投じる「バツ印投票」の可能性
この過酷なウグイス嬢の経験を経て、幸田さんは日本の選挙の在り方について興味深い視点を提示しています。それは、特定の候補者を選ぶだけでなく、ふさわしくないと思う候補者に「不信任」の意思を示す「バツ印投票」というアイデアです。現在の日本の公職選挙法では、候補者の氏名以外の事柄を記入した投票は「他事記載(たじきさい)」とみなされます。これは、投票用紙に名前以外の文字や記号を書くと無効票になってしまうルールです。
「支持したい人が誰もいないから棄権する」という消極的な選択ではなく、「この人には任せられない」という明確な拒絶を票に反映させる仕組みがあれば、政治の緊張感はより高まるのではないでしょうか。ネット上では「白票を投じるよりも意思表示として強力だ」「政治家への強烈なプレッシャーになるはず」といった、この斬新な提案に同調する書き込みが散見されます。現状の制度では実現していませんが、民意をより正確に反映する手段として議論の余地があるはずです。
私個人の見解としても、現在の「選ぶだけ」の選挙には限界を感じることがあります。誰を選んでも同じだという無力感が投票率の低下を招いているのであれば、マイナスの意思を数値化する試みは、民主主義を活性化させる劇薬になるかもしれません。候補者側も落選を恐れるだけでなく、バツ印を突きつけられる恐怖を持つことで、より国民に寄り添った謙虚な政治姿勢が磨かれるのではないでしょうか。
選挙が終わった今だからこそ、私たちは一票の重みと、その投じ方の多様性についてじっくりと思索を深めるべきでしょう。幸田真音さんが感じた真夏の熱気と、現代の有権者が抱く冷ややかな視線。この二つの温度差を埋めるヒントは、もしかするとこうした大胆な制度改革の議論の中に隠されているのかもしれません。次回の選挙に向けて、私たちが真に求める民主主義の形を、今一度問い直してみようではありませんか。
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