2019年06月、日本の労働市場において歴史的な転換点が訪れました。総務省の調査によれば、働く女性の数が統計開始以来、初めて3000万人の大台を超えたのです。前年の同じ時期と比較しても53万人という大幅な増加を見せており、社会の仕組みが大きく変化している様子が伺えます。かつては結婚や出産といったライフイベントをきっかけに家庭に入るという選択が一般的でしたが、現代では自らのキャリアを継続させる生き方が着実に浸透しているのでしょう。
具体的な数字に目を向けると、25歳から34歳の就業率は78.1%に達し、35歳から44歳の層でも77.8%という高い水準を記録しています。このデータは、多くの女性が仕事に対して意欲を持ち、社会を支える不可欠な原動力となっている事実を雄弁に物語っているはずです。SNS上でも「同世代で働いているのが当たり前になった」「社会進出が進むのは嬉しい」といったポジティブな反応が相次いでおり、時代の潮流を感じざるを得ません。
数字の裏側に潜む課題と真の活躍への壁
しかし、単に人数が増えたことだけを見て満足するわけにはいかないのが現状です。働く女性を取り巻く環境には、依然として解決すべき深刻な課題が山積しているからです。その象徴とも言えるのが、組織における意思決定に関わる「管理職」の割合でしょう。欧米諸国では課長職以上の女性比率が3割から4割に達しているのに対し、日本国内ではわずか1割程度に留まっている事実に私たちは向き合わなければなりません。
ここで言う管理職とは、チームの目標設定や評価を行う責任ある立場を指しますが、なぜ日本ではこの比率が上がらないのでしょうか。その背景には、長時間労働を美徳とする根深い企業文化が存在しています。残業が前提となっている職場では、育児や家事の負担を抱えやすい女性が昇進を諦めたり、残念ながら離職を選択せざるを得なかったりするケースが後を絶ちません。これでは、せっかく蓄積したスキルが社会に還元されないまま失われてしまいます。
編集者の視点から申し上げれば、3000万人という数字はあくまで「通過点」に過ぎません。これからの日本に必要なのは、性別に関わらず誰もが持てる能力を最大限に発揮できる「真のダイバーシティ」の実現です。ダイバーシティとは多様な人材を活かす考え方のことですが、柔軟な働き方ができる制度の構築が急務でしょう。企業側も、労働時間の長さではなく成果で評価する仕組みへと大胆に舵を切るべきであり、それこそが日本経済を再生させる鍵になると確信しています。
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