高知から世界へ、建設業界の常識を塗り替える快進撃が止まりません。独自の技術で世界をリードする技研製作所が、2019年08月15日、欧州市場でのシェア拡大を目指し、オランダにあるグループ拠点「技研ヨーロッパ」へ約11億円もの巨額投資を行うことを発表しました。このプロジェクトは、主力製品である「くい圧入機」の保守・管理体制を劇的に進化させる戦略的な一手となるでしょう。
今回の投資により、オランダ本社には最新鋭の工場と事務所棟が新設される予定です。2020年03月の完成を目指す新工場は、既存の施設と合わせると建築面積が4333平方メートルにも及びます。同社は自社工場を持たない「ファブレス経営」を貫いていますが、この拠点は生産ではなく、機械のメンテナンスや部品の一元管理を担う重要なハブとして機能することになります。
世界三極体制の完成と海外売上比率70%への挑戦
2019年は技研製作所にとって、まさにグローバル戦略の転換点といえる年になりました。米国や東京の拠点移転に続き、今回のオランダ拠点の整備によって、日本・米州・欧州を結ぶ「世界三極体制」がついに再構築されます。同社はこの強固なネットワークを武器に、グループ全体の売上高に占める海外比率を70%まで引き上げるという、非常に野心的な目標を掲げているのです。
SNS上では、この積極的な海外展開に対し、「日本の誇る環境技術が世界標準になるのは嬉しい」「オランダのような環境先進国で認められるのは本物の証拠だ」といった期待の声が数多く寄せられています。単なる機械販売に留まらず、現地のニーズに迅速に応える保守体制を整える姿勢は、投資家や業界関係者からも極めて高い評価を得ているようです。
新工場には、30トンの重荷重に耐え、高さ10メートルまで吊り上げ可能なクレーンが2基も配備されます。これにより、これまでメンテナンスが難しかった大型の「回転切削圧入機」の整備もスムーズに行えるようになります。回転切削圧入機とは、硬い地盤でも回転しながら杭を貫入させる特殊な機械のことで、この整備能力の向上は欧州での工事効率を飛躍的に高めるに違いありません。
水害に悩むオランダを救う「インプラント工法」の衝撃
オランダは国土の多くが海抜ゼロメートル以下という特殊な環境にあり、2032年まで年間平均1500億円規模のインフラ投資が見込まれています。ここで鍵を握るのが、技研製作所が提唱する「インプラント工法」です。これは、鋼鉄製の杭を振動や騒音を抑えて地中に深く押し込み、まるで歯のインプラントのように強固な壁を築く画期的な技術を指します。
東日本大震災の際、津波に耐え抜いた実績を持つこの工法は、地震や洪水に対して圧倒的な強さを誇ります。私は、この「粘り強い構造物」という日本発のコンセプトが、気候変動による海面上昇に悩む欧州諸国にとって、まさに救世主のような存在になると確信しています。環境負荷を最小限に抑えつつ、人々の命を守る防災インフラを構築する姿勢には、強い社会的意義を感じざるを得ません。
技研ヨーロッパは今後、ロンドン事務所を閉鎖してオランダに人員を集約し、営業と技術指導を一体化させた強力な体制を敷く方針です。新事務所では、顧客や技術者に対してメンテナンス方法や操作技術を直接伝授する場も設けられます。単にモノを売るのではなく、日本の高度な施工文化そのものを輸出する試みは、今後の日本企業が進むべき一つの理想形ではないでしょうか。
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