愛する家族の一員であるペットとの別れに際し、もっと手厚く送り出したいと願う飼い主様が急増しています。葬儀の定額サービスを展開する「ユニクエスト」が2019年05月から06月にかけて実施した調査によれば、供養にかけたい理想の金額は平均で5万9673円に達しました。しかし、実際に支出された平均額は2万0312円に留まっており、理想と現実の間には約3倍もの大きな開きが存在することが判明したのです。
この金額の差は、決して飼い主様の愛情が足りないわけではありません。背景には、大切なペットが旅立った際に、適切な葬儀を行える寺院や墓地の情報が圧倒的に不足しているという切実な問題が隠れています。SNS上でも「最期は人間と同じように弔いたいけれど、どこに頼めばいいのか分からない」といった戸惑いの声や、「もっと情報がオープンになれば、後悔のないお別れができるのに」という切実な意見が数多く投稿されています。
動物の種類別に見ても、供養に対する熱い想いが鮮明に表れています。ワンちゃんの場合は理想が7万1180円に対して実際は2万7278円、ネコちゃんは5万5093円の希望に対し実額は2万3251円となりました。さらにハムスターなどの小動物でも理想は2万円を超えており、体の大きさにかかわらず、深い喪失感を抱える「ペットロス」を和らげるためにも、儀式の重要性が再認識されていると言えるでしょう。
寺院とのギャップを埋める!ペット葬儀の新たなスタンダード
こうした需要に応えるため、業界最大手のユニクエストは2019年04月より、ペット向け定額葬儀サービス「いつもこころに」を開始しました。これまでは、お寺の檀家(だんか:そのお寺を経済的に支える信徒の家系)の意向もあり、動物の供養に消極的な寺院も少なくありませんでした。しかし、同社はネットで手軽に申し込める仕組みを構築し、提携する式場や寺院で僧侶による読経が受けられる安心感を届けています。
現状では、ペットと人間が同じお墓に入ることは宗教的な慣習から非常に珍しいケースとされています。しかし、実際にサービスを利用した大阪市の50代男性は「長年共に過ごした家族だからこそ、お寺で供養してもらえるなら安心できる」と語っており、心理的な充足感は非常に高いようです。現在は主要都市を中心に14カ所での展開ですが、同社は2022年度までに年間1万件の受注を目指し、提携先を全国へ拡大する計画を進めています。
私は、この動きは現代社会において必然的な進化だと考えています。ペットを「所有物」ではなく「伴侶」と捉える現代人にとって、死後のケアを疎かにすることは、残された家族の心の傷を深くしてしまいかねません。寺院側が抱える伝統的な制約も理解できますが、時代の変化に合わせて供養の形も柔軟にアップデートされるべきでしょう。誰もが納得のいく形で「ありがとう」を伝えられる社会の実現を、切に願ってやみません。
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