プロ野球の興奮は、もはやスタジアムの中だけに留まりません。千葉ロッテマリーンズは2019年、ファンとの接点を広げるべく、スマートフォンを活用したデジタルコンテンツ事業を猛烈な勢いで加速させています。球団が持つ選手や公式キャラクターの魅力を、手のひらサイズの画面を通じて届けるというこの試みは、従来のプロ野球ビジネスの枠を超えた画期的な取り組みと言えるでしょう。
まず注目すべきは、2019年07月末からスタートしたソーシャルゲームとの連携施策です。ゲーム内で自分の分身となる「アバター」に着せるためのユニフォームや関連アイテムの販売を開始しました。アバターとは、仮想空間における自分自身のキャラクターを指しますが、お気に入りの球団デザインで着飾ることで、ネット上でもマリーンズファンであることを誇らしく表現できる仕組みが構築されています。
さらにファンの心を掴んでいるのが、2019年08月にリリースされたばかりのボイスアラームアプリです。これは国内のプロ球団としては初の試みとなる、選手の声やスタジアムの臨場感をそのままアラームとして設定できるサービスです。象徴的なのは、ZOZOマリンスタジアムの名物とも言える谷保恵美さんの場内アナウンスが収録されている点であり、毎朝の目覚めが球場の熱気に包まれるような体験を提供しています。
こうしたデジタル戦略に対し、SNS上では「推し選手の声で起きられるなんて最高すぎる」「遠方に住んでいても球場にいる気分を味わえる」といった熱烈な歓迎の声が溢れています。これまで球場に足を運ぶことが難しかった層も、こうした手軽なデジタルコンテンツをきっかけにチームへの愛着を深めている様子が伺え、ファンの裾野を着実に広げている好例だと言えるでしょう。
個人的な見解を述べさせていただくなら、千葉ロッテのこの動きは非常に先見の明があります。球団が単なる興行主ではなく、IP(知的財産)ホルダーとして自らのコンテンツを多角的に活用する姿勢は、これからのスポーツビジネスにおいて不可欠な視点です。球場の外でも24時間、ファンと「繋がる」機会を創出することは、長期的なファンコミュニティの形成に大きく寄与するに違いありません。
今後はよりパーソナライズされた体験や、最新技術を駆使したファンサービスがさらに充実していくことが予想されます。2019年、マリーンズが示す「スマホで稼ぐ」という新たな収益モデルの確立は、他の球団にとっても重要な指針となるはずです。スタジアムで声を枯らして応援する喜びと、デジタルで日常に彩りを添える喜び、その両輪が今後の野球界をより面白くしてくれるでしょう。
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